日本の中心地である東京にはラーメン店がとても多く定番のラーメン以外にも、日本各地のご当地ラーメンを食べられるお店がたくさんあります。しかし、関東にも各地のご当地ラーメンに負けない個性豊かなラーメンがたくさんあるのをご存じですか?ここでは、東京をはじめとした関東のご当地ラーメンをご紹介していきます。
関東地方のご当地ラーメン
八王子ラーメン/東京
もともと総菜屋をやっていた店主が作り出した八王子ラーメンは、あっさりした醤油ベースのスープに刻み玉ねぎが入っているのが特徴のラーメンです。中細のストレート麺を使うのが主流でスープには脂が入っており、この脂は刻み玉ねぎの辛みを抑え甘みを引き立ててくれる役割をしてくれます。シンプルであっさりしたラーメンですが、脂と刻み玉ねぎがいいアクセントになりバランスの良いラーメンとなっています。
佐野ラーメン/栃木
出流原弁天池の湧き水など良質な水を使って作られた佐野ラーメンはさっぱりした醤油ベースの澄んだスープにコシのあるちぢれ麺が特徴的です。この麺は“青竹打ち”と呼ばれる青竹を使った技法で作られており、不揃いの麺の内部には気泡が多く熱の伝導率が高いため短い時間で茹でることが出来ます。また、麺を良質な水をたくさん使った多加水麺にすることでうどんに似たつるっとした食感と特有のコシが生まれ、スープとの相性がよいのも佐野ラーメンの特徴となっています。
勝浦タンタンメン/千葉
真っ赤な見た目が特徴の勝浦タンタンメンはごまを使って作られていることの多い一般的な担々麺と違い、醤油ベースのラーメンに大量のラー油を使って作られています。もともとは漁業が盛んな勝浦の漁師さんや海女さんの体を温めるために食べられたのが始まりとなっています。具材には炒めた玉ねぎやひき肉を使うことが多いのも特徴となっています。
竹岡式ラーメン/千葉
竹岡式ラーメンは通常のラーメンと少し違い、チャーシューを煮込んだ醤油ダレをお湯で割ったものをスープとしています。黒めのスープとチャーシューが乗った見た目はインパクトが強いですが、薬味は刻み玉ねぎやネギなどシンプルなものが多いため、スープの中の肉のうま味も感じることが出来ます。また、乾麺を使っているのも竹岡式の特徴の1つです。
水戸藩ラーメン/茨城
水戸黄門で有名な水戸光圀は日本で1番最初にラーメンを食べた人物とされており、文献などを参考にして再現されたのが水戸藩ラーメンです。特産物でもあるレンコンを粉末状にしたものを混ぜて作られた麺は、もちもちとした食感と少し茶色がかっている見た目が特徴となっています。また、五臓之気を高める”五辛”と呼ばれるネギ、にんにく、生姜、らっきょう、ニラの薬味が添えられているのも水戸藩ラーメンならではとなります。
サンマーメン/神奈川
サンマーメンは醤油か塩ベースのラーメンに豚肉や野菜の入ったあんかけが乗っているラーメンです。名前からさんまが入っていると思われがちですが出汁などにもさんまは使っておらず、広東語でシャキシャキしたという意味の「生(サン)」と上に乗せるという意味の「馬(マー)」から名前がついたと言われています。昔は醤油ベースが一般的でしたが、近年では塩ベースのものや野菜の種類もお店によって違いが出てきています。
家系ラーメンと二郎系ラーメンとは?
男性を中心に人気の高い家系ラーメンは全国にもお店が多く、もちもちした太麺に豚骨醤油ベースの濃厚なスープが特徴です。そこに鶏油、チャーシュー、ほうれん草、海苔がトッピングされたものが一般的となっています。家系という名前も特徴的ですが一体どのように名前が付けられたのでしょうか?
横浜にある「吉村家」というお店が家系ラーメンの元祖と言われており、吉村家で出されていたラーメンに似た豚骨醤油系のラーメンを提供していたお店の名前に「家」が使われていたことが多かったため、家系というジャンルが出来上がりました。暖簾分けや弟子の独立とともに徐々に広がっていき、チェーン店なども手を出したことにより全国に家系の名前が広がりました。
家系ラーメンは、味の濃さ・麺の硬さ・脂の量を選ぶことが出来るお店が多く、卓上にも豆板醤やにんにくなどの調味料が置かれ好みによって味変が出来るのも特徴です。
家系と似たようなラーメンとして豚骨醤油ベースのスープににんにくや脂が乗った二郎系ラーメンがあります。しかし二郎系ラーメンは家系とは全く別物になります。二郎系は東京の港区にある「ラーメン二郎」から生まれたラーメンであり、小麦の風味が強い太くて硬めの麺に厚切りのチャーシューやもやしなどの野菜が山盛りになって盛り付けられているのが特徴です。創業者に認められた弟子だけが二郎系と名乗るお店を出すことが出来、それ以外は二郎インスパイア系として二郎系の特徴を出しながらもお店ごとに特徴が違うラーメンとなっていることが多いです。
どちらも関東で生まれたガツンとしたパンチのあるラーメンですが風味や特徴も違うため、より濃厚なラーメンを食べたい場合は家系、量も含めガッツリ食べたい時は二郎系など特徴を掴んで選ぶことでよりそれぞれのラーメンの美味しさが楽しめるはずです。