うどんの美味しいゆで方

近年はチェーン店も非常に人気が高いうどんはご当地うどんと呼ばれるさまざまな種類のうどんが日本全国にあります。その食べやすさやアレンジの多さ、スーパーなどで手に入る手軽さから家庭でもよく食べられていますが、うどんは麺の太さや乾燥状態によってゆで方も変わってきます。今回はうどんを美味しく食べるためのゆで方やゆでる時間の違いなどを紹介していきます。

うどんのゆで方

はじめに基本的な乾麺のうどんのゆで方を紹介していきます。しかし、ゆでる流れや大きなポイントは乾麺・半生麺・生麺も基本的には同じであることが多いです。

ポイントとなる点は

  • たっぷりのお湯を使う
  • しっかり沸騰させてから使う
  • 途中軽く混ぜ吹きこぼれないようにする
  • しっかりぬめりを取る

1.うどん100gに対して1リットル以上の水を用意し沸騰させます
小麦粉から出来ているうどんはお湯に入れることでデンプンが溶け出し表面に粘りが出てきます。そのため、お湯が少ないと麺同士がくっつきやすくゆであがった麺の状態が悪くなってしまうため、出来るだけたっぷりのお湯を用意するのが大切となります。一度に2人前など麺の量を多めにゆでる場合はさらにお湯を多めに用意するのがコツとなり、2人前200gとした場合2リットルのお湯ではなく3リットル用意するのが目安です。家庭に大きめの鍋がない場合は、回数を分けて少量でゆでるのがおすすめです。十分なお湯の量があると麺の仕上がりだけでなく麺に含まれる塩分も程よく抜け美味しくゆでるためのコツにも繋がります。

2.沸騰したらうどんをほぐしながら入れます
うどんはくっつきやすいため、お湯に入れる時点で麺をほぐしながら入れて下さい。入れた後うどんが浮き上がってきたら菜箸などで軽くかき混ぜ全体がくっつかないように再度ほぐします。麺の状態によってはちぎれやすいものもあるため優しくかき混ぜ、中火で沸騰を保ちながら袋に記載されている時間ゆでていきます。ちなみに、袋の裏に記載されているゆで時間やWebサイトに記載されている目安の時間はほとんどが“麺が浮き上がり再沸騰してからゆでる時間”です。うどんをゆでる時に時間通りゆでていても固めにゆであがってしまう場合は時間を計るタイミングを気を付けてみて下さい。

また、吹きこぼれそうになった時に”差し水”をすることがありますが、差し水をするとお湯の温度が下がり温度調節するのが難しくなります。これが原因で時間通りゆでていても上手くゆでることが出来なくなるため、吹きこぼれそうになったら火を弱めて調整するようにして下さい。

3.ゆであがったらしっかりぬめりを取り除きます
お湯に入れることで出てきたデンプンをしっかり水で洗いうどんの表面のぬめりを取っていきます。目安は2~3回、水が白く濁らず麺が冷たく感じればしまっている証拠です。水で洗うことで食べる時の麺同士がくっつくことや余熱で麺に火が入りすぎるのを防ぎ、麺がコシのある食感になります。ひと手間かかりますが温かいうどんでも一度水でぬめりを取り、熱湯で10秒ほど温めてから使うとのどごしのよいうどんを食べることが出来ます。

乾麺のゆで時間
約12~15分

生麺をゆでる時のコツ

生麺をゆでる時はうどんについている粉を軽くはたき落としてから入れます。はたくだけではうまく粉が落とせない場合や麺が柔らかくちぎれやすい場合はザルに入れて水で軽く流しても大丈夫です。粉を軽くはたいた生麺はほぐしながら入れると切れやすくなるため、一気にお湯に入れてお湯の中で優しくほぐしていきます。ゆであがったうどんは切れにくいため、生麺でもしっかりぬめりを取って麺をしめて下さい。

生麺のゆで時間の目安
釜揚げうどん:約8分前後
温かいうどん:約10分前後
冷たいうどん:約11分前後

半生麺をゆでる時のコツ

半生麺は2つ折りになっているものが多いですが、まっすぐにのばさずそのままパラパラと軽くほぐすようにお湯に入れるだけで大丈夫です。あとは基本のゆで方と同じようにゆでればよいのですが、ここで1つ紹介したいゆで方があります。讃岐うどんの亀城庵さんが紹介している半生麺のゆで方になりますが、蓋をしてゆでる方法です。

しっかり沸騰したたっぷりのお湯にうどんを入れた軽く混ぜます。再沸騰したら火力を弱火まで下げて蓋をします。あとは時間通りゆでるだけです。

基本的には蓋をせずにゆでる方法を紹介していることが多いですが、この方法でゆでると“蒸しゆで”の状態になり「透明感のあるつるつるもちもちした食感」のうどんに仕上がります。また、弱火で調理するため節約にも繋がりますね。この時に使う蓋は中の状態が見えるため透明な蓋の方がよいそうです。

しかし、乾麺や生麺ではゆで時間などの条件も変わるため試してみるのであれば半生麺で試してみて下さいね。こちらの方法は“さぬきうどんの亀城庵”という名前でYou Tubeに動画も投稿しています。庵主の藤井さんが分かりやすく教えてくれていますので、ぜひ動画も確認してみて下さい。

半生麺のゆで時間の目安
釜揚げうどん:約10分前後
温かいうどん:約10分前後
冷たいうどん:約14分前後

各うどんのゆでる時間の目安はメーカーや商品によって大きくかわります。中でも乾麺は特に販売している種類が多く太さも細いものから極太までさまざまです。必ずパッケージに記載されているゆで時間や注意事項を読んで確認して下さいね。

乾麺を短時間でゆでる方法

乾麺はうどんをしっかり乾燥させて作られているため、全体的に見ても生麺や半生麺よりゆでる時間が長いものが多いです。しかし、事前にあることをしておくとゆで時間を短縮するだけでなく、もっちりとした生麺のような食感を再現することが出来ます。

事前にやることとは“水に浸けておく”ことです。時間の目安は1時間半から2時間、食べたい量の乾麺をバットやフライパンなどうどんが水にしっかり浸かる大きな容器に入れて放置しておき、柔らかくなったら基本のゆで方でゆでるだけです。柔らかくなっている分麺を優しく取り出すなど少し注意する点はありますが、鍋に入れ再沸騰後は2分半から3分を目安に記載されている時間の半分の時間でゆでれば大丈夫です。大幅な時短にはなりませんが急いでいる時は10分程度浸けておくだけでも生麺のような食感は味わえます。ちなみにこの方法だと煮崩れしにくくなるため、鍋焼うどんなどに使うのもおすすめです。この場合でもメーカーや麺の太さによっては差が出てしまうため、水に浸す時間やゆでる時間の調整をしてみて下さい。

ゆでたあとの処理

ゆでた後の処理で1番大切なことはしっかりぬめりを取ることですが、タイミングが合わずすぐに食べることが出来なくなってしまった時や多くゆですぎてしまった場合は正しく保存しておくことで食感をキープしたまま食べることが出来ます。

作り置きしておいてその日のうちに食べる場合は、粘性のあるタレなどに絡めて冷蔵保存すれば麺が乾燥するのを防ぎ特に何もしないで食べることが出来ます。また、事前に時間をおいて食べることが分かっていれば短めにゆでておいて食べる直前にさっと水やお湯にくぐらせるとよいです。

日をまたいで食べる場合は冷凍保存してしまうのがよいです。しっかり水を切った後、1食分ずつにうどんを小分けにして空気がなるべく入らないようラップで包みます。包んだうどんを冷凍保存可能な保存袋に入れて冷凍すれば1ヶ月ほど保存することが可能です。解凍はたっぷりのお湯に1分から1分30秒ほどゆでる、または電子レンジで3分ほど加熱して解凍することが出来ます。

また、乾燥麺や半生麺と違い日持ちしない生麺も軽く粉を落として同じようにラップで包み保存袋で冷凍保存すれば1ヶ月ほど保存することが出来ます。解凍する場合は事前にゆでていないため、表記のある時間より1分多めにゆでれば大丈夫です。ちなみに市販のゆでうどんは未開封であればそのまま冷凍し、解凍も沸騰したお湯に入れ麺がほぐれれば食べられます。電子レンジの場合は3分ほど加熱すれば食べられるため、大量にうどんを買っておいて冷凍保存しておくことも出来ます。

ゆでた後のうどんはどうしても乾燥してしまい、麺がくっつく、ちぎれる、食感が悪くなるなどの状態起こりやすくなります。ゆでた後はすぐに食べるのが1番美味しく食べられる方法でもありますが、いざという時は正しい方法で保存していつでも美味しいうどんが食べられるようにしてみて下さい。