中部地方は日本海側・太平洋側の地域に加え、内陸には日本の屋根とも呼ばれている座標の高い中央高地があり、国内の中でも特に環境や気候などの差が大きいです。そのため、地域の特色がラーメンに色濃く出ているのも中部地方になります。そんな中部地方のご当地ラーメンを紹介していきます。
中部地方のご当地ラーメン
高山ラーメン/岐阜
飛騨高山ラーメンや飛騨ラーメンとも呼ばれている高山ラーメンは、鶏ガラやかつお節から出汁を取る和風のシンプルな醤油ラーメンです。細く縮れた麺を使うのも特徴ですがスープにも特徴があり、一般的な作り方と違ってタレとスープを寸銅で一緒に煮込んで作っています。また、高山ではラーメンの歴史が古く「そば=中華そば」と言われています。通常の蕎麦は日本そばや生そばと区別してるため、高山でお店を探すときには注意してくださいね。
台湾ラーメン・まぜそば/愛知
ひき肉やニラ、もやしなどを唐辛子とにんにくで炒めた“台湾ミンチ”がラーメンに乗った激辛のラーメンです。名古屋にある台湾料理店の店主がまかないとして作られたものが始まりです。また、台湾ミンチを極太の麺に乗せた汁のない台湾まぜそばも名古屋を中心に人気があります。台湾まぜそばの歴史はまだ浅く、2008年に名古屋のラーメン屋が台湾ラーメンの試作をしていた時に偶然生まれたメニューとなっています。
藤枝朝ラーメン/静岡
朝ラーメンを食べる文化のある地域はいくつかありますが、静岡の藤枝での朝ラーメンの文化は少しおもしろく特に志太地域で食べられる志太系ラーメンは「温・冷」の2種類を食べるのが一般的となっています。お茶の栽培が盛んな藤枝では早朝の仕事帰りにラーメンを食べるのが定番化し、朝でも胃が持たれないように魚介系のあっさりしたスープで作られています。2種類食べられるようになった理由は分からないそうですが、“温”の後に紅ショウガやわさびが乗った少し甘めに作られた“冷”を食べるのが藤枝流になります。
亀山ラーメン/三重
亀山ラーメンは牛骨を使ったエキスに赤味噌・豆味噌・麦味噌を混ぜた牛骨スープに三重県産のニシノカオリという小麦で作られた麺と三重県産の3種のきのこ(ヒラタケ・ハタケシメジ・ハナビラタケ)を使っているのが特徴です。この3つの要素を含んでいればそれ以外は自由なのも亀山ラーメンの特徴ですが、ラー油などを入れてピリ辛に仕上げているお店が多くみられます。
長岡生姜醤油ラーメン/新潟
見た目はほうれん草やネギが乗った王道の醤油ラーメンですが、スープに生姜を使った冬の寒さが厳しい新潟ならではのラーメンです。はじめは豚ガラを使ったスープの臭み消しのために使っていましたが、体を温める効果もあり浸透していった説が強いようです。脂多めの濃い醤油スープとキリっとした生姜のバランスが良い1杯となっています。
燕三条背脂ラーメン/新潟
魚介系の出汁を使った濃いめの醤油ラーメンにたっぷりの背脂が乗ったラーメンです。この背脂はコクや深みを出してくれるだけでなくスープに膜を張りラーメンを冷めにくくする働きをしてくれます。また伸びにくい極太の麺はうどんのようにもちもちしており、濃厚なスープとの相性が抜群です。
富山ブラックラーメン/富山
富山ブラックラーメンはその名の通り見た目が真っ黒なスープが特徴です。醤油を煮詰めて作ったスープは味が濃く塩辛く作られています。これは、肉体労働者に塩分補給も含めご飯と一緒にラーメンを食べて欲しいという背景から作られていたためです。濃いスープに負けないよう太めの麺を使っているお店が多いですが、見た目はそのままにあっさりしたスープでラーメンを作っているお店もあります。
富山にはブラック以外にもカラフルなラーメンがある?
富山と言えば見た目が黒いブラックラーメンが有名ですが、近年ブラックラーメンに続けと町おこしも含めた目の色に特徴のあるラーメンが出てきています。
富山の特産物であるほうれん草を使った緑色の「高岡グリーンラーメン」は学校給食でも取り入れられています。「入善ブラウンラーメン」は地元の米味噌とエビのエキスが入った濃い茶色の見た目が特徴の味噌ラーメンとなっており、他にも麺に唐辛子を練り込んだ塩ベースのスープの「入善レッドラーメン」、白い豚骨スープに肉味噌を乗せた「おやべホワイトラーメン」などブラックラーメン以外にもカラフルなラーメンがあります。個人店以外にも道の駅やサービスエリアなどで食べることが出来るため、富山を訪れた際にはブラックラーメンと一緒にカラフルなラーメンも食べてみてはいかがでしょうか?