砂糖の1日の摂取量

みなさんは1日にどのくらいの量の砂糖を摂取していますか?ケーキやチョコレート、ジュースなど砂糖が使われている食品が身の回りにはたくさんあり、知らず知らずのうちに摂取していることが多いです。今回は砂糖の1日の摂取量はどれくらいなのか、また、近年聞く「砂糖断ち」とはどういうものなのかについて紹介していきます。

1日の砂糖の摂取量はどのくらい?

世界保健機関(WHO)では2015年から健康効果が期待出来る量として成人の1日の遊離糖類摂取量は”エネルギー総摂取量の5%未満までが望ましい”という新しいガイドラインを発表しました。1日に2000kcal摂取している場合25gとなります。

この5%は平均すると砂糖約25gに相当し、ティースプーン6杯分、スティックシュガー(3g)8本、角砂糖7個分の量になります。砂糖を取りすぎると肥満や虫歯、高血圧、糖尿病、心臓病などを引き起こす可能性が高くなるため予防する目的も含め決められた量であり、野菜や果物、牛乳などに含まれる自然由来の糖分は含まれていません。

また、遊離糖類とは食品や飲料に加えられる糖類のことであり、ブドウ糖や果糖類などの“単糖類”、ショ糖や食卓砂糖などの“二糖類”だけでなく、はちみつ・シロップ・果汁なども含まれます。主な糖類としては砂糖全般、上白糖やグラニュー糖など白い見た目の精製された分蜜糖だけでなく、栄養素が豊富な黒砂糖などの含有糖にもブドウ糖やショ糖は含まれています。

日本人の砂糖摂取量の推移

日本人の1日当たりの平均摂取量は令和元年で41g程度とされています。WHOの目標とする25gと比べるとまだまだ多いと言うのが現状です。しかし、日本人の砂糖摂取量は年々減っています。

戦時中は砂糖も配給制になりますが、砂糖以外の食べ物も足りていない状態でした。戦争が終わり、1947年に砂糖のキューバから砂糖の配給が始まりましたが、品質が十分でなく政府主導で精糖工場が建設されました。1952年になると配給は終了し、各砂糖メーカーの精糖設備の量に応じて、砂糖が政府主導で割り振られるようになり、各社が競って工場を作ったことから砂糖の供給が盛んになり1952年以降、砂糖の供給量と同時に摂取量も一気に増加しました。

1970年頃には砂糖の摂取量はピークを迎え1日の摂取量は75g程度まで増加しました。しかし、そこから健康意識が高まり、徐々に砂糖の摂取量が減り始めます。現在では1日の摂取量が41g程度まで減少しています。昔喫茶店でコーヒーを頼むと出てくる砂糖のスティックは8gが主流でしたが現在は3gが主流になっています。一方で肥満や糖尿病の患者数は年々増えており、単に砂糖の摂取量だけでなく運動不足などが原因と言われています。

身近な食品に含まれる砂糖の量

実際の推奨量としてはエネルギー総摂取量の5%未満、1日に2000kcal摂取している場合25gが推奨とされていいますが、25gと言ってもどの食べ物にどれくらいの量の砂糖が使われているかは分かりづらいですよね。では、普段食べている食品にはどのくらいの量の砂糖が使われているのでしょうか。

  • キャンディー1個:4g
  • アイス:24g
  • プリン:15g
  • ショートケーキ:28g
  • どら焼き:36g
  • 炭酸飲料500ml:50~60g

上記の数値はあくまで目安であるため大きさや甘さ控えめなど商品により変動しますが、これだけを見てもスイーツやお菓子には砂糖が大量に使われており1日の摂取量を簡単に超えてしまいます。特にジュースや炭酸飲料には見た目では想像がつかないほどの量の砂糖が使われています。さらに、ドレッシングやケチャップ、ソースなどの調味料や市販されているパン、弁当や惣菜などにも使われており、気づかないうちに糖分を摂取しているのです。

商品表示や成分表には砂糖以外の表記の仕方をしているものも多く、ブドウ糖・ショ糖・糖蜜・シロップ・アガベ・果汁・ハチミツ・花蜜などの表記がある場合にも注意が必要になります。

ですが、少しの工夫で25gまでとはいかなくてもさらに摂取量を抑えることは出来ます。ジュース・炭酸飲料・缶コーヒーは水やお茶、無糖の紅茶、コーヒーなどに切り替え、風味が欲しい場合水や紅茶にレモンなどを加えるだけでもかなりの量の砂糖を抑えることが出来ます。他にも、プレーンヨーグルトに砂糖やはちみつではなくバナナなどの甘みが強いフルーツを入れる、お菓子ではなくフルーツやさつまいも、ナッツを食べるなどに切り替えるだけでも減らすことが出来るため、おいしく全体的に砂糖を減らし健康に繋げることが大事です。

砂糖大さじ1、小さじ1の糖質とカロリーの早見表はこちら

砂糖断ちとは

砂糖断ちとはその名の通り食生活から過剰に摂取していた砂糖を抜き体調を整え健康に繋げていく改善法です。糖類は脳のエネルギー源であるだけでなく体温を高めるなどの働きがあり、人間が生きていくには必要不可欠な成分です。しかし、1つ前にもお伝えしたように過剰摂取によりさまざまな生活習慣病が引き起こされます。砂糖は依存性が高く、不足することで空腹を感じる、イライラする、疲労感を感じる、集中力が欠けるなどの症状が現れます。そこに砂糖が使われている甘いものを食べることで満腹感や幸福感を感じられ脳が快感を覚えます。糖類を摂取すると血糖値が上がり、下げるためにインスリンが分泌され低血糖となりまた空腹を感じるようになります。これが繰り返されることで砂糖への依存が高くなり悪循環となって過剰摂取に繋がります。

砂糖を抜くとイライラする・頭痛・生理前の不調などが緩和、肌荒れや味覚が整う、体重が減る、体が軽くなる、寝つきが良くなるなどの効果が得られたという声が多く、依存症状を改善したい人の他にも体調や体質の改善、美容や健康のためなどにより砂糖断ちをする人は増えてきています。

しかし、突然すべての糖類の摂取をやめてしまうことは非常に危険で、低血糖症になる、頭痛・眠気に襲われる、便秘になる、筋肉が落ちる、リバウンド、肌荒れなどの不調が起きることがあります。体質によっては倦怠感やふらつき、吐き気、憂鬱感が出ることもあるため、すべての人が砂糖断ちに適応出来るわけではありません。正しい知識を入れ、どのくらいの期間をかけて糖類を減らすのか、砂糖断ちする期間や量を決める、無理をしない、体調を見ながら難しい場合は中断するなどの選択が出来る準備が必要になります。

よく取り入れられる期間としては4~8週間かけて徐々に砂糖などの糖類を抜いていき調整し、さらに質の良い睡眠やバランスが取れた食事をしっかりとること、運動をするなどの生活習慣も重要になってきます。本格的な砂糖断ちをしなくても、間食で食べているお菓子をフルーツやナッツに変える、糖類が入っている飲み物を無糖に変えるだけでも効果を感じられる人がいるため、簡単なことから取り入れ自分に合った方法で無理なく砂糖を減らしていくことが大切です。