使い勝手がよく家庭でも手軽に作れる乾燥パスタは長期保存が出来ることから常備している人も多いのではないでしょうか。そんな乾燥パスタはゆで方を少し変えるだけで調理後の仕上がりも大きく変わります。今回はパスタのゆで方やくっつかないようにするコツや食感をよくする方法を紹介していきます。
パスタの基本のゆで方
はじめにパスタの基本のゆで方を紹介します。使う麺は一般的な細長い麺状のスパゲッティです。
1.適量の水を鍋に入れ沸騰させた後塩を入れる
2.くっつかないよう放射線状にばらしながら麺を入れ菜箸などでお湯の中にしずめる
3.全体がお湯に浸かったら麺同士や鍋にくっつかないようにかき混ぜる
4.火加減を少し弱め吹きこぼれない程度に沸騰した状態でゆでる
5.袋の表示より早めに麺の硬さを確認し好みや調理の仕方によってゆで時間を調整する
6.素早くお湯をきりソースと絡めたら完成
ゆでる前のポイント
ゆでる前のポイントはたっぷりのお湯を用意することです。水量の目安は100gに対して1リットル、さらに小さじ1の塩を入れます。小麦粉から出来ているパスタはゆでるとデンプンが流出し水の量が少ないとパスタ同士がくっつきやすくなるため、たっぷりのお湯を用意することでくっつくのを防ぎます。
また、ゆでる時に塩を入れるのはパスタに下味をつける・コシを出すといった目的があります。塩を入れてゆでるとパスタ全体に軽く下味がつき、ソースとの馴染みをよくするためのベースとなります。さらに塩分のあるお湯でゆでるとパスタが吸収する水の量が少なくなり、麺にコシが出ることやゆでた後に塩味をつけることで起こりやすい塩辛くなりすぎる・味にバラつきが出るなどを防ぐためゆでる時に塩を入れるのがよいです。
ちなみに、パスタをゆでる時に麺をゆですぎて食べきれないという失敗をしたことはありませんか。一般的に使う乾麺のスパゲッティはゆでる時に麺が水分を含み約2.5倍に増えます。ゆでたパスタ1人前の目安は200gであるため、80gを基準にゆでると麺のゆですぎを防止することが出来ますよ。
ゆで途中・後のポイント
ゆでている最中は沸騰させすぎないのがポイントです。吹きこぼれるほど沸騰させてしまうと、麺の表面が溶け出してベタつきが出ます。また、吹きこぼれた際に差し水をするのもお湯の温度が下がりゆでムラが出やすくなるため火加減を調節して軽く沸騰している状態を維持するようにして下さい。ゆでている最中は必要以上に麺をかき混ぜる必要はありませんが、ゆで始めの1~2分はしっかりかき混ぜることで麺同士や鍋底にくっつくのを防ぐことが出来るため、ゆで始めにかき混ぜるのも忘れないようにしましょう。
また、袋の表示より早めに硬さを確認することでその後の調理の仕方や好みによって硬さの調整をしやすくなります。基本的にはゆでた後にソースを絡める・具材と合わせることが多いため、中心に針金くらいの芯が残っているアルデンテの状態でお湯を切りましょう。しかし、湯切りをした後に放置しておくとせっかくアルデンテでゆでた麺がのびてしまったり、くっついてしまうため、事前にソースや具材を用意して素早く次の工程に移すことがパスタを美味しくさせるコツでもあります。ソースを乳化する際にはお湯を少し残しておくことも忘れないようにして下さい。
ゆであがったパスタをさらに過熱調理をする場合はアルデンテよりも硬めにゆでる、冷静パスタをする場合はゆでた後冷やすことから麺が硬くなりやすいため少し長めにゆでてしっかり火を通すなどパスタの調理の仕方によってもゆでる時間を調整させることが失敗しにくいポイントになります。
美味しくパスタをゆでるコツ
ゆでる時間や水の量など少しのポイントを抑えるだけ基本のゆで方で美味しくパスタをゆでることは出来ます。さらに、ひと手間加えるだけでパスタがくっつきにくくなる・モチモチした食感を出すなどワンランク上の仕上がりにすることが出来るためそのコツや裏技も紹介していきます。
パスタをくっつきにくくする方法1
オリーブオイルなどの油でパスタをコーティングする
はじめにもお伝えしたように、パスタがくっつく理由は含まれているデンプンによるものです。基本的にはたっぷりのお湯を用意すれば防ぐことが出来ますが、ゆであがりのパスタが温かいうちにオリーブオイルやサラダ油を絡ませておけば油がコーティングされくっつきにくくなります。これをしておけば、お弁当にパスタを持って行くときや冷凍保存をする際にもくっつくのを防ぎ煩わしい思いをすることが減ります。
湯切りをした後に油を絡ませるのが手間だと思う場合は、ゆでている最中にお湯に油を入れてしまうのもおすすめです。沸騰したお湯2リットルに対して大さじ1の油を目安として加え、パスタをゆでるだけです。ゆでる時に加えると湯切りした際にくっつきにくくなるだけでなく、鍋にくっつくのを防ぐことや吹きこぼれを防止する効果もあります。ソースにも絡みやすくなるためぜひ試してみて下さい。
パスタをくっつきにくくする方法2
必要以上にゆでず余熱で熱を加える
ゆでた時にデンプンが流出することがくっつく原因であるとすれば、ゆでないという方法もくっつきにくくなります。やり方は基本的なゆで方と同じく塩を入れた沸騰したお湯にパスタを入れ、かき混ぜたあと再沸騰したら火を止めて蓋をするだけです。放置する時間は袋に記載されている時間+2~3分を目安に好みの硬さに調整すれば完成です。
この方法は余熱を使ってパスタに火を通すためゆでた時に比べデンプンが流出されずくっつきにくくなります。さらに、ガス代を節約出来ることや吹きこぼれないこと、アルデンテなどをする時の火加減の調節が難しい場合にもおすすめです。
他にも、麺が長いことがくっつく理由にもなるため半分に折るなど短くしてゆでることやお弁当など1度冷めた後に食べる場合はうどんやそばと同じように水でぬめりを取ることもくっつきを防止する方法になります。
パスタをモチモチにする方法1
事前に水に浸しておく
生パスタは乾燥させていない分モチモチした食感を楽しむことが出来ます。乾燥パスタではなかなか出せない食感ですが、事前に水に浸しておくだけで生パスタのような食感を楽しむことが出来るのです。
パスタがしっかり浸かる容器にパスタを入れ2時間ほど水に浸しておきます。容器が手元にない場合はパスタを半分に折って短くしましょう。水を切ったら沸騰したお湯で1分加熱するだけで生パスタのようなモチモチした弾力のある食感にゆであがります。事前に水に浸けておく必要はありますが、こちらも加熱時間が短くなるためガス代の節約にも繋がります。太さや原料の違いによって硬めに仕上がる場合は加熱する長さを調整してみて下さい。
パスタをモチモチにする方法2
蒸しゆでにする
事前に水に浸けておく方法は手軽ですが少し時間がかかります。しかし、蒸しゆでという方法を使うと事前に水に浸けておく必要がなく、水の量もパスタ100gに対して水400mlと通常の半分以上も少ない水の量でゆでることが出来てしまうのです。しかも塩も入れる必要がありません。
フライパンに水を入れ沸騰させ、半分に折ったパスタを入れ蓋をします。中火にして袋に記載されている時間通り蒸しゆでにすれば完成になります。
水の量が少ない分吹きこぼれする心配がなく、沸騰するまでの時間もかかりません。さらに水分がなくなるくらいに蒸された状態でゆであがることが弾力のあるモチモチした食感に繋がります。もし、ゆで時間より早めに水がなくなる場合は水を追加する、その後ソースと煮込むなどの加熱調理をする場合は1分ほど短くゆでるなど水分や時間の調整をしてください。反対に、水の量が多すぎるとゆであがり時にも水分が残り蒸した状態が少なくなり美味しさを感じにくくなるため、弱火で余分な水分を飛ばしてしまえば大丈夫です。
電子レンジの加熱で失敗しないコツ
パスタの食感を十分に楽しむのであれば鍋やフライパンでゆでる方がおすすめですが、時間がない時や手軽にゆでたい時に使えるのが電子レンジです。しかし、手軽であるがゆえに加熱方法を間違えてしまうと失敗しやすい方法でもあります。そんな電子レンジの加熱を失敗しないコツも紹介していきます。
パスタ100gに対して水400ml・塩小さじ1/3
ポイント
- しっかりパスタが入る深めの耐熱容器を使う
- お湯を使う
- ラップをしない
- 塩を入れる
まず、しっかり水にパスタが浸かっていないとそもそもゆであがりにムラが出来、パサつく・芯が残るなど失敗しやすいです。しかし、レンジの中は入る大きさに制限があるため耐熱性の深皿など深さがあるものなどしっかりパスタが入る容器を用意しましょう。最近は、レンジ専用の調理容器も販売しているためそれを使うのもおすすめです。
さらに入れる水はお湯を使うということ。水からでも調理出来ますが、コシがなくなったりゆであがりの失敗が多くなりやすいです。お湯を使うことで芯が残りにくくつるっとモチモチした食感を味わうことが出来、塩を入れるとコシを出すことにも繋がります。
吹きこぼれを防止するためにラップやフタはせず、袋に記載されている時間+3分を目安にレンジの種類や好みで時間を調整します。さらによい食感を出すには500wで加熱するのがおすすめです。そして、実は電子レンジで加熱した時のゆで汁の方が小麦の旨味がしっかり残り、ゆで汁をソースなどに使う場合は非常に美味しく仕上がります。もともと使う水の量が少なく湯切りをしないでそのまま使うことも出来るため、コツを掴んで上手に加熱すれば電子レンジでも十分美味しいパスタをゆでることが出来るのです。
パスタをゆでるという単純な作業ですが、ゆで方を少し変えたりひと手間加えるだけでびっくりするほど美味しさや食感が変わります。いくつか方法があるためいろいろな試して今までとは一味違う美味しいパスタを食べてみて下さいね。