ピリッと辛いラー油は餃子のタレや料理のアクセントとして使える辛味調味料です。常備している人も多いラー油ですが、使用回数がそこまで多くないため余ってしまいやすい調味料でもあります。また、現在は具材の入っている食べるタイプのラー油も販売しており、一般的なラー油と保存方法や賞味期限に違いがあるのか悩んだことはありませんか?今回はラー油の保存方法や賞味期限を紹介していきます。
ラー油とは
ラー油はごま油を中心とした植物油に唐辛子や香辛料を加え、加熱して油に香りや辛みをつけた調味料です。中国発祥の調味料であるため中華料理、特にその中でも四川料理によく使われており、辣油の「辣」という漢字にはピリッと辛いという意味を持っています。日本でも餃子のタレをはじめとした中華料理に使うことが多いですが、おひたしや和え物、浅漬け、サラダなど使える料理の幅はとても広く、ちょっとしたアクセントが欲しい時や辛いものが好みの人には重宝する調味料です。
日本では香りがよいことからごま油を使って作られていることが多いですが、本場の中国では菜種油を使って作る方が一般的で、唐辛子や香味野菜などの香りを最大限に活かすのであれば菜種油の方が相性がよいそうです。実は思っているより簡単に自宅でもラー油を作ることが出来るため、自家製ラー油を作る時にはどの油を使うかで風味の違いを感じてみるのもおもしろいですね。
また、ラー油とは別に2008年頃のブームで一躍人気になったのが“食べるラー油”です。これまでのラー油とは違い、フライドガーリックやフライドオニオンなどの具材を加え、具材ごとごはんや豆腐などにかけて食べるという今までのラー油とは違った新しい使い方が出来ることから、人気が出た当初は品薄になるほどの影響力がありました。商品によっては辛みの強いものもありますが、具材が入ることで一般的なラー油より辛さがマイルドに感じます。チャーハンやおにぎりといったアレンジも豊富であることから食べられる年齢層も広く、現在でもその人気は高いため食べるラー油の方が常備している家庭は多いかもしれません。
ラー油の保存方法と賞味期限
身近にあるラー油ですが、どのような保存をすれば美味しさを維持することが出来るのでしょうか。ラー油と食べるラー油では具材のあるなしが大きく違うため保存場所や賞味期限が変わってくるため別々に紹介していきますね。
一般的なラー油の場合(具なし)
保存場所:未開封・開封後どちらも直射日光や高温多湿を避けて常温で保存
賞味期限:未開封 1年~2年
開封後 記載の賞味期限までに早めに消費
具材の入っていない一般的なラー油は基本的には常温での保存になります。そのため、直接日光が当たる場所やコンロの近くなど温度が高くなる場所は避けるようにしてください。油漏れなどを防ぐために容器を立てた状態で保存するのがベストです。調味料といってもラー油は油であるため、冷蔵庫で保存すると固まってしまい使いづらくなります。また風味も落ちることから冷蔵庫での保存はおすすめしません。ただし、メーカーが冷蔵保存を推奨している商品に関しては冷蔵庫で保存するようにして下さい。
賞味期限は商品にもよりますが、正しく保存していれば未開封の場合は1~2年ほどと長期間保存出来るものが多いです。また、開封後もしっかり蓋を閉め正しく保存すればパッケージに記載してある賞味期限まで持つことは出来ますが、一度開封してしまうと酸化して劣化しやすくなるためなるべく早めに使いきってしまうようにしましょう。
賞味期限を過ぎたラー油でも未開封の場合は、菌が繁殖出来ない環境のため傷みにくく風味に異変がなければ使える可能性が高いです。もともと賞味期限は美味しく食べられる期間を設定しているため、実際に食べられる期間より短く記載していることが多いです。そういう理由も含めると多少賞味期限が過ぎていたとしても食べられ可能性が高いのです。しかし、状態によっては見た目や風味だけで判断することが出来ないこともあるため判断に困った場合は無理に使わず処分してしまうようにして下さい。
開封済みの場合はたとえ賞味期限内だったとしても劣化したラー油は風味が落ち、胸やけなどの不調を起こす可能性が高いです。状態によってはカビが発生してしまっていることもあるため、ラー油の色や油臭さといった不快なにおいがする場合は処分して下さい。また、自家製ラー油や保存料が入っていない商品は一般的な市販品より保存出来る期間がとても短いため保存も含めて注意が必要です。自家製ラー油は1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
ちなみに、ビンの底に黒い粒やかたまりが溜まっていることがありますが、これは原料に含まれる微粒子が沈殿しているものでありカビではないため食べることが出来ます。
食べるラー油の場合(具あり)
保存場所:未開封 直射日光や高温多湿を避けて常温で保存
開封後 冷蔵庫で保存
賞味期限:未開封 約1年
開封後 1ヶ月を目安に早めに消費
食べるラー油は具材が入っており、ざくざくした食感や具材の旨みなどを楽しむことが出来るのが大きな特徴です。しかし、その反面傷みやすいのも特徴であり、未開封であれば一般的な具なしのラー油と同じように直射日光や高温多湿を避けて常温で保存することが出来ますが、開封後は常温で保存するとカビが生えてしまうことも多いため、基本的には冷蔵庫での保存となります。ただし商品によっては常温を推奨していることもあるため、パッケージなどの記載を必ず確認するようにして下さい。
賞味期限も未開封・開封どちらも具なしのラー油に比べると短く、未開封の場合は約1年、開封後はあまり日持ちが出来ず冷蔵保存していても1ヶ月を目安に早めに食べきってしまうのがよいです。食べるラー油は傷んでしまうと、油臭い不快なにおいに加え酸っぱいにおいや異臭などが発生することがあります。具材が黒ずんでいたり白い胞子のようなカビが生えてしまっている場合は完全に傷んでいるため、少しでも見た目や香りに異変を感じたら迷わず処分してしまいましょう。
カビが繁殖するには水分大きく関係しており、具材のないラー油は水分がないため傷みにくいです。しかし、食べるラー油は具材に水分が含まれているため、たとえ冷蔵庫で保存していてもカビは繁殖しやすいことから早めに食べきるのがよいとされています。また、使う時に濡れているスプーンや使用済みのスプーンを使って取り出したり、ビンの内側に具材がついている・具材がラー油に浸かっていない状態で保存することもカビが発生しやすい理由になります。食べるラー油を使う時には使用していない乾いたスプーンを使う、取り出した後もビンの内側に具材をついたままにせず残った具材がなるべくラー油に浸かるように保存しておくようにして下さい。食べるラー油は傷んでしまうと腹痛や嘔吐を引き起こす食中毒に繋がる可能性も高いため、開封済みだけでなく未開封であっても賞味期限が過ぎているものは食べない方がよいです。
すぐに使いきれず傷まないように保存する場合、冷蔵保存が可能であれば冷凍しても大丈夫なのではないかと考えるかもしれません。実際に冷凍すること自体は出来ますが、解凍時に風味が落ちる・具材の食感が変わる・油が分離するといった変化が出やすくなるため、可能な限り冷凍保存はおすすめしません。しっかり蓋を閉めて正しく保存し、期間内に使いきれない場合はチャーハンなどさまざまな料理に活用して使い切ることが大切になります。
実はラー油と同じく食べるラー油も自宅で簡単に作ることが出来ます。具材を好きな大きさで作ることや出来たてしか味わえない風味のよさを感じられることが最大のメリットとなり、普段使う量によって作る量も調節出来るため、市販のものが使いきれない場合には手作りしてみるのもおすすめです。しかし、保存出来る期間がさらに短くなりより傷みやすいため、自家製の場合は1週間を目安に使い切るようにして下さい。
ラー油と食べるラー油は同じような調味料ですが、具材のあるなしで保存方法や賞味期限が大きく変わってきます。未開封か開封後かだけでなく市販品か自家製かによっても保存方法などが違うため常備しているラー油がどのタイプか把握し、商品の注意事項も確認したうえで正しく保存して美味しくラー油を使うようにして下さいね。