ココナッツオイルの特徴とMCTオイルとの違い

 日常的に見る機会の増えてきたココナッツオイル。ココナッツオイルは中鎖脂肪酸が多く、MCTオイルと比較されることが多い植物油の一種です。今回はココナッツオイルの特徴とMCTオイルとの違いについて解説します。

ココナッツオイルとは

 日本のJAS法による区分ではやし油で、ココヤシの果実であるココナッツの種子内部の胚珠から抽出される油脂のことを通称としてココナッツオイルと呼んでいます。ココヤシは主にフィリピン、インでネシア、マレーシア、スリランカなど亜熱帯から熱帯地域で生産されており、特にスリランカはココナッツを専門に取り扱うココナッツセンターがあり、フィリピンは政府主導でココナッツ生産農家へのサポートが手厚いため、生産量や質も相対的に高いとされています。日本では沖縄県と鹿児島県の一部で生産されています。

ココナッツオイルの特徴

 ココナッツオイルの最大の特徴は中鎖脂肪酸が多い(約60%)が多いという点です。中鎖脂肪酸は、植物油や動物油に含まれる脂肪酸の一種で、炭化水素鎖にカルボキシ基を有した1価のカルボン酸のことを指します。この脂肪酸は炭素数によって区分されており、炭素数が6-12のものを中鎖脂肪酸、13-21のものを長鎖脂肪酸と呼び、中鎖脂肪酸はココナッツオイルに多く含まれ、長鎖脂肪酸はラードなどの動物油や米油などの植物油にも含まれます。

 中鎖脂肪酸は体内に取り込まれると、比較的早く血液中に取り込まれエネルギーに変換されますが、長鎖脂肪酸は代謝されるのが遅く、また中性脂肪として体内にとどまる動きをします。そのため、すぐにエネルギー化したいという場合は中鎖脂肪酸が向いており、体内に留めていきたいという場合には長鎖脂肪酸が向いているとされています。

 また飽和脂肪酸が多いことから酸化しにくいオイルとされており、加熱をしてもその成分が変わらず加熱にも向いているオイルです。しかし、発火温度も140℃前後とされており揚げ物などに使用しようとすると発火の可能性があり危険です。融点が非常に低く25℃で個体から液体に変わり、冬など気温の低いときは白く個体状になるため、食べる際には少し温めると液体になったり、柔らかくなります。

ココナッツオイルの種類

 ココナッツオイルは、RBDココナッツオイル、バージンココナッツオイル、エキストラヴァージンココナッツオイルの3種類があります。

RBDココナッツオイル

 RBDとはRefined(精製)、Bleached(漂白)、Deodorized(脱臭)の頭文字をとったもので、ココヤシの胚珠から油脂を絞ったあとに化学薬品を加え作られるココナッツオイルです。漂白、脱臭などの工程を加えることで、原材料となるココナッツの鮮度を問わないため、大量に収穫、貯蔵したココヤシを使用できることから安価に大量生産することができます。また、脱臭を行うことからココナッツ特有の香りはなくなり無味無臭で、ココナッツの香りが苦手な方におすすめです。製造工程に化学薬品を使用するケースが多いですが、中には天然素材を使用する商品もあります。また精製の段階でビタミンEなどは喪失してしまいますが、中鎖脂肪酸は60%前後含まれていることが多いです。

バージンココナッツオイル

 バージンココナッツオイルは生のココナッツから絞ったオイルになります。生の状態で絞って作られるため収穫してすぐにココナッツを絞る必要性があり、大量の保管してから製造ということができず、RBDココナッツオイルよりも高価になる傾向があります。またココナッツ特有の香りも残りますが、栄養素もそのまま残るためEBDココナッツオイルよりもビタミンE、ポリフェノールの含有量が高いことがバージンココナッツオイルの特徴です。

エキストラヴァージンココナッツオイル

 エキストラヴァージンココナッツオイルはバージンココナッツオイルより品質の高いココナッツオイルと曖昧な表現がされています。それは、日本国内ではバージンココナッツオイルとエキストラヴァージンココナッツオイルを明確に区分するルールがなく、一番搾りをエキストラ、二番絞り以降をバージンと区分するブランドやメーカーもありますが明確な基準はありません。そのため、どっちが良いの?という質問には一般的にはエキストラヴァージンのほうが高品質という回答となりますが、あくまで一般論となるため、この2種の区分は自分に合う方を選択すると良いでしょう。

MCTオイルとの違い

MCTとは中鎖脂肪酸のことを指します。ココナッツオイルは中鎖脂肪酸の含有量が60%前後であるのに対して、MCTオイルは中鎖脂肪酸が100%となっています。ココナッツオイルやパーム油から中鎖脂肪酸のみを抽出して作られるオイルがMCTオイルです。中にはココナッツオイル100%を使用したMCTオイル、ココナッツオイル、パーム油をブレンドしたMCTオイルなどがあります。つまり、ココナッツオイルとMCTオイルの違いは、MCTオイルはココナッツオイルから作られる中鎖脂肪酸100%のオイルということになります。

 MCTオイルは中鎖脂肪酸が100%ということで、前述した通りMCTオイルは接種後素早くエネルギーに変換されます。そのため、一般的には運動前の接種やダイエット目的での接種が良いとされています。

 また、中鎖脂肪酸は飽和脂肪酸のため、酸化もしにくいという特徴があります。しかし、元はココナッツオイルが原料となっていることが多いことから、発火温度は低く加熱には向いていないことからやはり生食がおすすめの食べ方となります。MCTオイル自体は無味無臭であることからコーヒーに入れたり、サラダやヨーグルトにかけたりする食べ方が一般的です。

まとめ

・ココナッツオイルはココヤシの果実から作られる
・フィリピン、インでネシア、マレーシア、スリランカが主な生産国
・中鎖脂肪酸の含有量が高くエネルギーに変換されやすい
・酸化しにくいが発火温度が低いため加熱時には注意が必要
・RBC、バージン、エキストラヴァージンの3種類がある
・MCTオイルはココナッツオイル、パーム油から中鎖脂肪酸を抽出したオイル

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