イギリスやアメリカなどでは朝食としてよく食べられるオートミールは日本でもここ数年の間にダイエットや運動をしている人を中心に取り入れる人が増えています。しかし、まだまだ馴染みの薄い食べ物でもあるため、どのように食べたらよいのか、また美味しく食べるにはどうしたらよいのかなどの疑問も多いです。今回はそんなオートミールの美味しい食べ方について紹介していきます。
オートミールの種類と基本の食べ方
まず、海外でも朝食などとしてよく食べられている一般的なオートミールの食べ方を紹介します。
オートミールはコーンフレークやグラノーラといった穀物を原料にしたシリアルの仲間ですが、日本で主に食べられるシリアルと違い、基本的に味付がされていないため水や牛乳を加えて加熱調理し、好みの硬さまでふやかし味付をして食べる”オートミールポリッジ“というお粥に似た食べ方が基本の食べ方になります。
朝食で食べることが多いポリッジはバナナやブルーベリーなどのフルーツやナッツ、ピーナッツバター、ハチミツなどをトッピングして食べることでより美味しく食べることが出来ます。
そもそもオートミールは燕麦(えんばく)やオーツ麦といった穀物を食べやすく加工したものであり、押し麦のようなプレスした状態のものから殻を取り除いて細かく砕いたもの、乾燥させている、加熱加工しているなどにより種類がいくつかあり、種類によって相性のよい調理方法や食べ方も変わるのが特徴です。
主に日本で販売しているオートミールの種類
スティールカットオーツ
殻から取り出して割った生の麦
30分以上煮込むといった加熱調理をする必要がある
おすすめの食べ方:塩味のお粥として食べる
ロールドオーツ
殻から取り出した麦をローラーで伸ばし乾燥させたもの
加熱加工しているためそのままでも食べられるが加熱調理して食べるのがよい種類
おすすめの食べ方:塩味のお粥・甘めのミルク粥どちらでも食べられる
クイックオーツ
ロールドオーツを細かく砕いたもの
無味であるがシリアルのようにそのまま食べることが出来るため、加熱調理する場合も他の種類に比べると短時間で調理
が出来る
おすすめの食べ方:シリアルとして・塩味のお粥として食べる
インスタントオーツ
ローストオーツに味つけなどをして食べやすく加工したもの
味がついているためコーンフレークやグラノーラのように手軽に食べられる
おすすめの食べ方:牛乳やヨーグルトに加えて食べる
他にも海外ではしっかり浸水と加熱をしないと食べられない全粒のオーツ麦(ホールオーツ)や赤ちゃんの離乳食としても用いられるインスタントオーツを細かく砕いたベビーオーツなどの種類があります。日本語表記されているものは分かりやすいですが、海外のオートミールを購入する場合は種類によって簡単に調理することが出来なくなるためどの種類かしっかり確認することが大切です。
オートミールの美味しい食べ方
オートミールの基本の食べ方はポリッジというフルーツなどを加えた甘めの食べ方です。しかし、お粥を食べる文化のある日本人にとっては少し違和感があり美味しく食べられない人も少なくないです。そんな私たち日本人にとって食べやすく美味しい食べ方があります。それが“オートミールの米化”です。
オートミールに水を加え加熱するだけでお米のように食べらるだけでなく、この方法だと馴染みやすい味付けや食材との相性もよいため初心者の人にも食べやすくなります。米化をする場合は粒感がしっかり味わえるロールドオーツを使うのがおすすめです。
材料
オートミール 30g
水 50㏄
電子レンジを使う場合
1.耐熱容器にオートミールと水を加え軽く混ぜます
2.ラップをかけずに電子レンジ600wで1分30秒加熱、ほぐすように混ぜたら完成です
ワンポイント
レンジにかける前に1分ほど放置し浸水させるとより美味しくなります。また、水分量が多すぎるとムラが出来やすく固まってしまうため慣れてないうちは計量して適量を加えるようにして下さい。さらに、耐熱容器が平らな形のものの方がよりムラになりにくいためおすすめです。
フライパンや鍋を使う場合
1.フライパンや鍋にオートミールと水を加え軽く混ぜます
2.中火にかけ沸騰したら火を弱め、3~4分加熱します
3.水分が飛びふっくらしたら完成です
オートミールの米化は電子レンジで作るのが一般的になりますが、フライパンや鍋を使った方が加熱した時のムラは少ないです。米化したオートミールはどちらかといえば白米より玄米に近いですが、ほとんどお米を食べているのと変わらない食感があり、食べ方もおにぎりやチャーハン、カレーをかけるなど普段食べているごはんの代わりとすることが出来るため、ポリッジに比べると非常に取り入れやすくなります。
さらに、これを応用して加熱するのではなくお茶漬けの素をかけてお湯を注ぐだけでお茶漬けとして、好きなスープを作り加えるだけでもリゾット風として食べることが出来ます。米化は非常に簡単で短時間で調理が出来てしまうため、忙しい朝だけでなく帰りが遅くなってしまった夜などにも手軽に用意出来る万能な食材でもあります。
オートミールの中でもロールドオーツは粒が大きいため、ごはんのようなしっかりした食感を味わうことが出来ます。海外でもロールドオーツを使うことが一般的であるため、価格も比較的安く手に入れやすいです。しかし、さらにしっかりした歯ごたえを味わいたい場合はプレスドオーツと呼ばれるロースドオーツより厚めにプレスし硬めに作られているオートミールを使うのもおすすめです。硬めであるため必要に応じて加熱時間や浸水時間を増やして調整してみて下さい。
反対に、電子レンジで加熱したオートミールの食感が苦手という場合はよりごはんの食感に近いスチールカットオーツを使い炊飯器で加熱する方法もおすすめです。
炊飯器でスチールカットオーツを調理する場合
材料
スチールカットオーツ 1カップ
水 360ml
塩 一つまみ
材料を炊飯器に入れ白米を炊くモードで炊くだけです。時間がある場合は30分浸水させておくとよいです。スチールカットオーツは押しつぶしの加工がされていない分、水分の吸収率が悪いためロールドオーツのような時短調理は出来ません。通常は鍋で加熱するため少し手間がかかりますが、炊飯器で加熱してしまえばごはんを炊くのと変わらない手軽さで米化させることが来ます。吹きこぼれやすいため1カップを上限に作るのがポイントです。雑穀米のように洗った白米にスチールカットオーツを加えて浸水させてから一緒に炊くことも出来るため、少しずつ慣れていきたい人にもおすすめです。しかし、日本ではまだスーパーなどで見かけることが少なく手に入れにくい種類であるためインターネットや専門店などで購入する必要があるのが難点になります。
米化したオートミールはラップに包んで冷蔵保存すれば翌日まで、ジッパー付きの袋に入れて冷凍すれば約1週間ほど保存することが出来ます。ロールドオーツは簡単に調理出来るため保存するよりも食べる量をその都度作る方が美味しく食べられますが、スチールカットオーツで米化した時やロールドオーツを多めに米化しおにぎりなどにして冷凍保存しておけば必要な時にすぐ食べることも出来ますよ。
オートミールを取り入れるにあたって知っておいて欲しいこと
オートミールはとても栄養が豊富に含まれており、特に食物繊維・たんぱく質・カルシウムや鉄分、ビタミンB群といったミネラルが豊富です。そのため血中コレステロールを抑えたり便通の改善、むくみや貧血の予防などが出来ることから美容目的として、また、たんぱく質が豊富・GI値が低く血糖値が上がりにくいことからダイエットや運動をしている人に特に人気が高い食品です。
しかし、栄養豊富だからといってもあくまで雑穀であるためごはんやパンと基本は同じ扱いです。オートミールの食べすぎや食べる時間帯によってはカロリーの摂取過多になるだけでなく、胃や腸に負担をかけ消化を悪くしてしまいます。また、味がないからといって味付けを濃くしたり甘くしすぎると塩分や糖分の摂りすぎにも繋がりせっかくオートミールの持つよい効果に繋げることが出来なくなってしまいます。
オートミールは特徴や加熱方法をしっかり押さえれば簡単に美味しく調理することが出来ます。また単体だけでなく他の食材とバランスよく摂取することでよりよい効果を得ることが出来、米化以外にも美味しく食べられる調理法やレシピもたくさん存在しているため、好みの種類や食べ方を見つけて普段の生活に美味しくオートミールを取り入れてみてください。