砂糖は腐るのか?賞味期限と保存方法

料理やお菓子作りには欠かせない砂糖ですが、賞味期限が記載されていないのをご存じですか?賞味期限がないとなると腐ったり傷んだりすることはないのでしょうか。今回は本当に砂糖は腐らないのか、またどのように保存すればよいかについて紹介していきます。

砂糖の賞味期限とその理由

使う頻度が高い砂糖には賞味期限がありません。砂糖は不純物がほとんど含まれないほど高度に精製して作られているため品質が安定しています。そのため、正しい方法で保存をしていれば長期間保存していても腐る・傷む・劣化することはほとんどありません。

これはJAS法(日本農林規格等に関する法律)でも認められており、腐敗や品質が劣化しない食品には賞味期限を記載しなくてもよいのです。あくまで賞味期限の表示を省略することが認められているだけであり、記載することも可能です。またメーカーによっては砂糖の製造日を記載することもありますが、賞味期限と間違える可能性を加味して、あえて製造日も記入しないメーカーもあります。

賞味期限の存在する砂糖(黒糖、加工黒糖)

しかし、固形や水分が多い砂糖など種類によっては賞味期限があるものや傷みやすい・劣化しやすい砂糖もあります。特に注意したいものは黒砂糖と加工黒糖です。賞味期限がついていない砂糖は精製しているとお伝えしましたが、黒砂糖は精製しないで作られています。そのため栄養素が豊富に含まれており人気も高いですが、その分影響を受けやすく劣化もしやすいです。賞味期限は4か月~1年ほどのものが多く、劣化すると風味が落ち変色もしてしまうため商品表示などを1度確認するのがよいでしょう。

またJAS法では黒糖を使用した加工黒糖と呼ばれる種類の砂糖がありますが。黒糖を5%以上使用したものを加工黒糖と呼びますが、黒糖を使用している都合上賞味期限は存在します。黒糖の含有量や他のフレーバーなどとの兼ね合いもあるため商品によって異なりますが、黒糖という表記がある砂糖は賞味期限があります。

基本的に賞味期限はなく腐ることはありませんが、保存状況などによっては使えないこともあるためその時の砂糖の状態で判断することが大事になります。

腐らないけど使用しない方がよい場合

腐らない・傷まないと言われている砂糖ですが状態によっては使わない方がよい場合があります。

  • 溶けだしている
  • 一部色が変色している
  • 異臭がする

特に、変色や異臭がする場合は傷んでいる可能性が高いため使用するのは避けて下さい。変色の場合、全体的に変色している場合はメイラード反応という化学反応によるもののため問題ないことが多いですが、一部の変色は何かが染み込んでいることもあるため慎重に判断することが必要になります。

砂糖はなぜ固まってしまう?解決と保存方法

砂糖を使おうと思った時に固まっていて崩れない!なんて経験はありませんか?砂糖が固まる理由は乾燥です。砂糖には水分が含まれており、保存方法によってその水分が蒸発し乾燥することで砂糖同士がくっつき固まってしまいます。そのため、砂糖には適度な湿気が必要となりますが、保存している容器や場所により乾燥しやすい状況を作り出してしまっているのです。

基本の保存方法(固まらない方法)

密閉した容器に入れ湿度が高くない場所で常温にて保存

開封後の砂糖だけでなく未開封の砂糖も密閉した容器などでの保存が必要になります。砂糖の袋は通気をよくするために小さな穴が開いています。そのため、未開封でも湿気の影響を受けてしまい、湿気以外にも匂いが移る、虫により袋が破られてしまうなどの問題が起こります。容器がない場合でもファスナー付きの保存袋などを使って保存するのがおすすめです。

また、湿度や温度の変化が激しいところでは容器内の湿気の変化も激しく固まりやすくなる原因の1つになるため、湿度・温度が一定の場所で保存することで砂糖が固まるのを防ぐことが出来ます。

変化しやすい場所

  • コンロ周りの温度が高くなる場所
  • 温度が低い冷蔵庫
  • 水回りの湿度が高い場所
  • 匂いの強い場所

固まってしまったら…

もし、砂糖が固まってしまったらまずスプーンなどを使って崩してみて下さい。固まってまだ時間が経っていないものは簡単に崩すことが出来ます。しかし、時間が経ったものや乾燥がひどく崩すことが出来ない場合には次のような方法を試してみて下さい。

日向に置いておく
少しの時間日が当たる場所に置いておくと、温まって崩れやすくなります。

濡らして軽く絞ったキッチンペーパーを蓋の間に挟む
湿ったキッチンペーパーの水分が少しずつ砂糖に移りさらさらになります。さらさらになったら取り外して終了です。しかしキッチンペーパーの水分が多すぎると水分が移りすぎてべたべたになってしまうため必ず軽く絞ってください。

ちぎった食パンを入れておく
これも同じ理由で食パンを1日ほど入れておくと食パンの水分が砂糖に移りさらさらに戻ります。

その他の対処法

べたべたしてしまったら…
乾燥とは反対に湿気や温度の影響で砂糖の水分が多くなってしまうとべたついてしまい、べたついたものは使わない方がよいです。一度べたついてしまうとさらさらには戻りにくくカビが生えやすくなるため、コンロ周りなどの温度の高いところに置かず密閉した容器で保存することが大切です。

虫が湧かないようにするには
精製された上白糖やグラニュー糖は虫が生きるための環境が整っていないため、基本的には虫が繁殖することはありません。どちらかと言えば外部から侵入してしまうことの方が多いため、しっかり密閉して保存することが重要になります。しかし、黒砂糖や三温糖などの精製せずに作られた砂糖には栄養素が豊富であり適切な保存方法をしていないと虫が湧いてしまう可能性があるため、より湿度や温度が変化しない場所で密閉した容器での保存が必要となります。

砂糖は密閉した容器に入れ適した場所で保存することで長期間保存しても品質が劣化せずに使うことが出来ます。正しく保存して美味しく安全な状態で砂糖を使ってくださいね。