とうもろこし油(コーン油)の特徴

 日本でも夏に旬の野菜として食べるとうもろこしですが、とうもろこしからも油が作られ、生産量はひまわり油の15%程度ですが、実は日本は世界5位のコーン油生産国であることはあまり知られていません。今回はそんなひまわり油(コーン油)について解説をしていきます。

とうもろこし油(コーンオイル)とは

 とうもろこしの胚芽を使って作った油がとうもろこし油、別名でコーンオイル(コーン油)と言います。JAS法ではとうもろこし油と呼ばれています。とうもろこしの粒には油分が少なく油を搾油することが出来ません。代わりにデンプンが多く、このデンプンを利用して作られるのがコーンスターチです。コーンスターチを作る際に出る胚芽には油分が多く、これをさらに加工して作られたものがとうもろこし油として販売されています。

 コーン1トンあたりの製造できるとうもろこし油は30kg程度で大豆油の1/6程度です。しかし、同じ作付面積でもコーンは大豆に3倍程度生産ができるため、実質1/2程度となります。日用油以外にもマーガリンなど加工用の油として使用されており日常的な油として知られていますが、米油のように高級油として通常サラダ油の2-3倍程度の価格で販売されていることが多いです。

 とうもろこし油は無臭ですが、とうもろこしに似た濃い黄色をしており、熱を加えると香ばしい香りとコクがあるのが特徴です。加熱にも強く劣化しにくい性質を持ち、風味が安定していることから揚げ物に使うとカラッとした仕上がりになります。糖質がないことも特徴の1つです。

 抗酸化作用のあるビタミンEと体内では作り出せない必須脂肪酸の1つであるリノール酸が多く含まれているため、食事からしか取り入れられない栄養素を摂取することが出来るのが良い点です。しかし、このリノール酸はオメガ6脂肪酸に分類され、マーガリンやマヨネーズなどの加工食品やスナック菓子などお菓子の製造に使われていたり、他の油とブレンドしてサラダ油として販売されていることが多いです。

とうもろこし油の原料生産国

 とうもろこし油は世界で年間300万トン生産されており、その50%以上がアメリカでの生産になっています。次いで中国、トルコ、ブラジルと続き5位に日本がランクインしています。

とうもろこし油の危険性について

 とうもろこし油にもトランス脂肪酸が含まれます。ほとんどの植物油にトランス脂肪酸が含まれ、日常的に食べているマーガリンやお菓子などを考えると完全に避けることは難しいでしょう。他の油でも解説をしていますが、やはりトランス脂肪酸は過剰に接種することを控えれば良いのではないでしょうか?またWHOの基準では1日2g以下に抑えるということですが、1日でも2gをオーバーしたら健康に何らかの影響が出るというものでもないため、過剰になる必要性はありません。

 そのため、トランス脂肪酸が含まれるとうもろこし油は危険ということではなく摂りすぎないように気をつけて、料理などに合わせて使い分けるということが良いでしょう。