油で揚げた豆腐から作られる油揚げは汁ものや和え物、煮びたしなどを作るときに重宝する食材です。しかし、一度に大量に使わないことが多く冷蔵庫で保存しても傷みやすいため余った油揚げをどうやって保存したらよいか困ったことはありませんか?今回はそんな油揚げを美味しく食べられるようにするための保存方法や油抜きについて紹介していきます。
油揚げの保存方法
油揚げは一般的には1パックに2~5数枚ほど入っているものが多いですが、1回の料理に使う量は少ないため余ってしまうことが多いです。さらに、空気に触れると酸化しやすいことから冷蔵保存でも傷みやすく未開封であっても賞味期限は5日ほどと非常に短いのが難点です。
そんな傷みやすい油揚げですがより長く保存したい場合は冷凍保存してしまうのがおすすめです。油揚げは冷凍保存しても食感がほとんど変わらず、下処理をしておけば冷凍されたままでも使うことが出来ます。そのため、余ってしまった時や購入後すぐに使わない場合は冷凍保存してしまいましょう。
冷蔵保存する場合
1~2日であれば冷蔵保存することも可能です。余った油揚げを冷蔵保存する場合は、クリップなどでしっかり封を閉めて冷蔵庫に入れます。この時、1枚ずつ油揚げをキッチンペーパーで包んでポリ袋に移し変えておくと余分な油を吸ってくれるためおすすめです。使う時はキッチンペーパーを取り外し、袋の上から包丁で押さえつけるように切ってしまえばまな板や包丁が油で汚れずに切ることが出来ますよ。
冷凍保存する場合
1.油抜きを行いキッチンペーパーで水気を取る
2.切らずに1枚の状態で保存する場合は1枚ずつラップに包みジップ付きの保存袋に入れる
使いやすくする場合は適度な大きさにカットしてジッパー付きの袋の中で重ならないように入れる
3.空気を抜いて冷凍庫で保存
ポイント
ここで重要なポイントとしては冷凍する際に“油抜きをする”ということです。油揚げは油抜きをしないで冷凍保存してしまうと酸化が進み風味に影響して美味しくなくなってしまいます。なるべく美味しさをキープして保存する場合には油抜きをすることが大切です。また、油抜きの後の水気が残っていると劣化しやすくなるためしっかりキッチンペーパーを使って水気を取るのがポイントにもなります。
基本の油抜きのやり方
基本的な油抜きのやり方は熱湯をかける方法です。ザルに油揚げを置きまんべんなく熱湯をかけます。ひっくり返し、反対側も熱湯をかけキッチンペーパーでしっかり水気を切ったら油抜きはおしまいです。
熱湯をかけて油抜きをする方法は油揚げが縮みにくく油もほどよく抜けるため料理の基本として出てくることが多いやり方です。この方法も手軽ではありますが、電子レンジを使えばさらに簡単に油抜きをすることが出来てしまいます。
電子レンジを使ったやり方
電子レンジを使う場合は耐熱容器にキッチンペーパーで包んだ油揚げを乗せ600wで1分ほど加熱するだけです。ポイントはラップをしないで加熱すること、粗熱が取れたらキッチンペーパーを軽く押して油を取除くことです。
温めることでじわっと油が抜けるため加熱後に油を取り除くことが大切になります。包んだキッチンペーパーで取り切れない場合は新しいキッチンペーパーを使って拭き取って下さい。この方法だとお湯を沸騰させる必要もなく洗いものも少なく済むためさらに手軽に油抜きをすることが出来ます。ただし、熱湯を使った油抜きよりも油揚げが縮みやすく油の抜け方も少ないです。カットして冷凍保存する分には問題はありませんが、1枚の状態のままで保存する場合や料理によっては熱湯を使った方法と使い分けるのがよいでしょう。
油抜きをしない場合
多少風味が落ちることや解凍する時に油抜きをする必要はありますが、事前に油抜きをしないで冷凍することも出来ます。油抜きをしなかった場合は、冷蔵庫で自然解凍した後に熱湯をかけて油抜きを行うか凍った状態のまま熱湯をかけて解凍と同時に油抜きを行うのがよいでしょう。特に解凍と同時に行う場合は時短にも繋がるため、時短目的や忙しい時、タイミングによってはとりあえず冷凍保存をしておいて使う時に油抜きをすることもおすすめです。
しかし注意する点としては、油抜きをしてから保存した場合としないで保存した場合では酸化の度合いが変わるため保存期間の長さも変わります。油抜きをした場合は約1ヶ月、しなかった場合は約2週間を目安に食べるようにして下さい。事前の手間は省けますが保存期間が短くなってしまうため、長期間美味しく食べられるように保存する場合は油抜きをして酸化させないようにするのがおすすめとなります。また、未開封の買ってきた状態で冷凍する場合はジッパー付きの保存袋に入れて冷凍する方が酸化しにくくなりますよ。
冷凍保存する目的や料理で油揚げを使う際の基本的な油抜きは熱湯をかける方法で十分ですが、料理や状況によっては電子レンジで加熱する方法や解凍後に油抜きをする方法を取り入れることも可能です。また、煮る工程が入る料理の場合は煮込む工程そのものが油抜きにもなります。油揚げは煮て下味をつけた後に冷凍保存をすることも出来るため、時間がある時に下味をつけて冷凍しておけば調理時間を短くすることが出来、いなりに使ったりうどんのトッピングなどにも使えて便利です。その場合は出来るだけ水気を切ってから冷凍保存するようにしましょう。もちろん下味をつける際にも事前に油抜きをしておいた方が余分な油が抜けてしっかり味が染み込みます。熱湯をかける油抜きでも大丈夫ですが煮物など味を染み込ませる料理に使う場合は熱湯で1~2分ゆでて油抜きをするのがおすすめになります。油抜きの方法も料理や冷凍保存する状況に応じて変えてみるとより美味しく油揚げを保存することに繋がります。
保存期間と油抜きのまとめ
冷蔵保存
未開封 3~5日
開封後 1~2日
冷凍保存
油抜きした場合 約1ヶ月
油抜きしない場合 約2週間
鮮度よく長期間保存するには
冷凍前に油抜きをしてしっかり水気を切ってから冷凍保存するのがよい
時間を短縮して保存するには
油抜きをしないで冷凍保存し解凍する時に熱湯をかけて解凍・油抜きを同時に行う
解凍方法
おすすめは自然解凍
油揚げの食感や風味を出来るだけキープしたまま解凍する場合は、冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。ただし、解凍に時間がかかるため前日など前もって移し替えておく必要があります。油抜きをしている場合はそのまま使え、していない場合は解凍後に油抜きするようにして下さい。下味をつけてから冷凍保存した場合も自然解凍がおすすめです。
そのまま使う
油抜きをした後カットして冷凍した場合は、そのまま使うことが出来ます。加熱中の炒め物や沸騰後の汁物に凍ったまま加えて調理してしまえば大丈夫です。また、切らずに1枚の状態で冷凍した場合でも簡単に小さく切ることが出来るため解凍しなくても使うことが出来ます。
電子レンジで加熱
カットしているものは加熱解凍する必要はありませんが、1枚の状態で冷凍した油揚げをそのまま使う際に解凍をし忘れ時や急遽使いたい場合は電子レンジで加熱して解凍しても大丈夫です。600w30秒程度加熱し、量やパワーによって調整してみて下さい。また、未開封のまま冷凍した場合は袋に2~3か所穴をあけて1~2分加熱すれば大丈夫です。
油抜きをしながら解凍
油抜きをしないで冷凍した場合は熱湯をかけて解凍と油抜きを同時に行います。手順は熱湯をかけるやり方同じで、凍った油揚げをザルに乗せて熱湯を表裏にまんべんなくかけてあげるだけです。そのあとは、キッチンペーパーで水気を取り除いて調理してしまえば問題なく使うことが出来ます。
賞味期限の短い油揚げは、保存方法を変えたりひと手間加えるだけで圧倒的に長い期間美味しく保存することが可能になります。1回に使う量はそこまで多くないですが、常備しておくことで料理のちょっとしたアクセントとしてやもう1品欲しい時の助っ人として使うことが出来ます。和食やおつまみだけでなくチーズや卵との相性もよいため洋風のレシピや使い方によってはスイーツにまで使うことが出来、レパートリーが多いのも油揚げの強みです。正しく保存して美味しい油揚げをいつでも食べられるようにしてみて下さいね。
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