そばの特徴や種類

 日本で古くから好まれ多くの人に愛されているそばには、そば粉の種類や麺の乾燥状態によっても特徴が変わります。ここでは、そばについて基本的な特徴やそば粉の違いを中心にご紹介していきます。

そばとは

 そばは穀物の1種である”そばの実”を使って作られた麺料理です。蕎麦とも記載され、そば粉が30%以上、小麦粉が70%以下使われて作られているそばを「日本そば」と呼び、そばの実を使っていない中華そばや沖縄そばなどと区別するために使われています。
温かいそばや冷たいそば、つけ汁で食べるタイプやトッピングなどを含めるとメニューもたくさんあり、地方のご当地そばを含めると数えきれないほどの種類があります。

そばの原料となるそばの実は、そばの種を蒔いて収穫した時点では「玄蕎麦(げんそば)」と呼ばれ、外側にそば殻という黒い殻がついた状態になっています。このそば殻を取り除くと、緑色の見た目をしたそばの実(丸ヌキ・ぬき実などとも呼ばれている)が現れます。

外側から中心に向かって、殻→甘皮(種皮)→胚乳→胚芽という構造になっており、どこの部分を使って製粉するかによってそば粉の種類が変わってきます。1番外側のそば殻を取り除き、そばの実の内側から部位を分けて製粉されたそば粉は、一番粉→二番粉→三番粉と分けられています。また、中心に近くなるほど実が柔らかいため上質なそば粉を作ることが出来ます。さらにそばの実の部位を分けず、殻ごと製粉するそば粉を挽きぐるみと呼びます。一番粉より二番粉、三番粉とそばの色も濃くなり、殻が含まれている挽きぐるみは黒っぽい見た目をしています。

ちなみに、取り除いたそば殻は枕の中のクッション材として入れられ、そば枕として使われています。そば殻の持つ性能は高く、他にも消臭剤や緩衝材などさまざまな用途で再利用されています。

そばの歴史

 栄養素が高く、香りや歯ごたえ、のどごしを楽しむことが出来るそばは日本発祥の食文化と思われていますが、そばの原料となるそばの実はもともと中国から伝わったという説が強いです。しかし、日本での栽培はとても古く縄文時代より前にはそばの実を栽培して食べられていたとされています。しかし、中国から伝わった当初は現在の細長い麺の状態ではなく、「そばがき・そばもち」という餅状の形で伝わっており、16世紀頃まではこの餅状の形で食べられていました。今でも多くの蕎麦屋ではそばがきを酒のつまみとして提供しています。

では、どのタイミングで現在の細長い麺の形状に変化していったかというと、実は分からないままとなっています。
1700年代の始め頃には現在の形状となって広がっていたという情報しか見つかっておらず、いまいち確かな情報がないため起源が分からないとされています。日本で昔から食べられており代表的な日本食の1つでもあるそばの起源が不明なのは意外でしたね。

年越しそばとは
 そばの歴史として意外と知られていないのが年越しそばです。年越しそばを食べる意味としては、細長いそばのように寿命を延ばし健康や長寿を願ったり、切れやすいことから1年の苦労や厄災を断ち切り、新年に持ち越さないようにという願いを込めて年越し前に食べるというのが有力とされています。そのため別名で「縁切りそば」とも呼ばれ縁起の良い食べ物とされています。

もともと江戸中期に健康食として食べられていたそばは、月末や節分など区切りの日に食べられており、1年の最後に食べるそばが明治以降には年越しそばとして食べる習慣に変わっていったようです。

そばの種類

 そばの種類としては食べ方による違いの他に、そば粉の違い、麺の乾燥状態による違い、地方や配合による違いなどさまざまあり、それらを含めるととてもたくさんの種類となります。

そば粉の違いによる種類

蕎麦屋に入った時にメニューとしても見かけることのある十割そばや二八そばは、そば粉の配合の違いになります。100%そば粉を使ったそばを十割そばと呼び、そばの香りが強い独特な食感のそばとなっています。小麦がつなぎとして入っている二八そばは、切れにくくなめらかな食感が特徴のそばになっており、配合が違うだけで食感やのどごしにも違いが出てきます。また、そばの実の中心部分を製粉して作られている見た目が白い更科そばやそば殻を含めて製粉したそば粉を使っている田舎そばなど、そばの実のどの部分を使って製粉したそば粉かによっても種類が変わります。

そば粉によるより詳しい解説はこちら

麺の乾燥状態による種類

そばの麺は乾燥の状態によっても種類が分かれ、大きく分けると3種類に分かれます。

打ちたてのそばは「生そば」と呼び、新鮮なそばでしか味わえない香りや味わいを持ち合わせています。しかし、日もちがしないため生そばのよさを残しつつ保存出来るように加工したのが半生そばです。生そばを保存が出来るように途中まで乾燥させており、生そばに比べると香りは落ちてしまいますが、ゆであがりはほとんど変わらないです。さらに長期保存が出来るように完全に乾燥させて作られているのが乾そばです。1年くらい保存が出来、乾燥させて作られているため、伸びにくいのも特徴となります。

そば粉による違いの中でも、生そばなのか、半生そばなのかによって種類が分けられています。生そばだから良い悪いというのはなく、それぞれに良さや特徴があり、麺の種類も含めこだわりを持って選んでいるお店が多いです。

店頭で手打ちをして生そばを作っているお店も多くあり、お店によってはそば打ちをしている姿が見えるようになっている所もあります。そばを打ったり切ったりしている姿が見られるのもそばの良い点であるかもしれません。

また、地方には麺の特徴を活かしたご当地そばも多くあり、その地方の特産物が具材として入ったそばや、ざるそばなどのつけ汁に特徴のあるそばなどがあります。麺に違う素材を一緒に練り込んで作られている代わりそばも多く存在し、定番のそばと一緒にご当地そばを提供しているお店も多いです。旅行に行った際にその土地特有のそばを探して味わってみるのも楽しいかもしれません。

そばの栄養素とそば湯の飲み方

 蕎麦屋でそばを食べた際には、ほとんどのお店では最後にそば湯を出してくれます。そば湯とは、そばを茹でた時のゆで汁です。とろみがあり、そばの香りを楽しみたい場合はそのまま飲んで味わいます。そば湯を飲んだことのない人や苦手な人は、ざるそばなどについているつけ汁に入れ濃さを調整することで飲みやすくなり、つゆのだしなどを最後まで味わうことも出来ます。

そばには体に良い栄養素が多く含まれています。ポリフェノールの1種でもあるルチンをはじめ、ビタミンB1・B2、マグネシウム、リンなどのミネラルが豊富に含まれており、たんぱく質も白米の1.5倍と高く、疲労回復や腸内環境を改善してくれる効果などが期待出来ます。そばを茹でると少なからずその栄養素がお湯に溶け出してしまうため、そば湯も一緒に飲むことで無駄なく栄養素を摂取することが出来るのです。そば湯は自宅でそばを茹でた際にも手軽に飲むことが出来るため、薬味などを加えてアレンジしてみるのも自宅ならではのそば湯の楽しみ方になります。

代表的な日本食の1つでもあるそばには、味の違い以外にも麺の違いなどたくさんの種類があります。それぞれに特徴や良さがあり、お店や地方によっても違いが出るのがそばの醍醐味です。好みのそばを見つけて栄養素も美味しく摂り入れてみてください。