味噌で大豆・麦アレルギーになるのか

栄養が豊富で体にもとても良い味噌は毎日取り入れたい食品の1つです。ですが、食物アレルギーを持っている人にとっては食べられるのか心配ですよね。今回は味噌は何から出来ていてアレルギーがあるのか、ある場合はどのようなアレルギーに繋がるのか紹介していきます。

味噌でアレルギーは出るのか

味噌には大豆や小麦が使用されていることから、それぞれにアレルギーを発症するアレルゲンが含まれることは確認されています。では、味噌でアレルギーは出るのでしょうか。

結論から言うと基本的には食べることが出来ます。しかし、重度の場合症状が出てしまうことがあるため、掛かりつけの病院などで確認してからの方がよいでしょう。

味噌が食べられる理由としては、製造工程の中で発酵・熟成をしているためです。長期間発酵・熟成させることで大豆や小麦などの持つアレルゲンは分解されアミノ酸へ変化し味噌では確認出来ないレベルまで達します。そもそも食物アレルギーとは食物に含まれるたんぱく質が主な原因で、特定の食物を食べるまたは触れた場合に体内の免疫が異質なたんぱく質だと認識することで反応し症状が出ます。たんぱく質はアミノ酸が集まって出来ている成分のため、分解してしまうことでアレルギーの原因になりにくくなります。

さらに、「大豆アレルギーの多様性と味噌の低アレルゲン性の検証」を執筆した森山氏や「みそは大豆アレルギーの人でも食べられる天然の『脱アレルゲン食品』」を執筆した小川氏によると熟成期間が3か月以上の長い味噌にはほとんどアレルゲンが発見されず、特に長期熟成をする豆味噌は他の味噌より分解が進んでいたということが記述されています。そのため、熟成期間が長い味噌はアレルギーの人でも食べられる可能性が高く、熟成期間が短い白味噌などは症状が出る可能性があるため注意が必要になるでしょう。

大豆は日常的に使用されることが多い食材の1つです。そのため、味噌だけでなく大豆由来の添加物などに反応することがあります。そのため、味噌は大丈夫という科学的なエビデンスはありますが、添加物や味噌汁など調理をする際には使用する食材などしっかり確認することをおすすめしています。

醤油の大豆、小麦アレルギーの関する解説はこちら

味噌ができるまでの解説はこちら

味噌の原材料と代用品

味噌は「大豆・麹・塩」を原材料に発酵・熟成して作られています。さらに使う麹の種類によって味噌の種類も変わり、米麹を使う場合は“米味噌”、麦麹を使う場合は“麦味噌“、豆に直接麹菌を付けた場合は“豆味噌”となります。味噌の種類によっては主原料である大豆に加え米または麦が使われていますが、1つ前にもお伝えしたように基本的にはアレルゲンとなる成分は分解してしまうため病院などで確認して問題がないという人は食べられるでしょう。それでもアレルギーが重度の人やなるべくアレルギーとなる食物が使われていないものを探している場合は代用品があります。

大豆アレルギーがある場合:大豆を使わずそら豆、米・あわ・ひえなどの穀物を主原料にして作られている味噌など
米アレルギーがある場合:米麹を使っていない麦味噌、豆味噌、そら豆を主原料にして作った味噌など
小麦アレルギーがある場合:麦麹が使われていない米味噌、豆味噌、そら豆・あわ・ひえ・などを主原料にして作られている
           味噌など ※一部の豆味噌には小麦を少量使用している商品があるため注意

上記のような各食材が使われていない味噌も販売しているため、状況に応じて代用することは可能です。また、小麦を使っていない米味噌や豆味噌などはグルテンフリー食品としてグルテンフリーを取り入れている人の間でも注目されており、日本だけでなく世界からも年々人気が高くなっている食品です。

味噌になると原材料に使われている食物のアレルゲンはほとんど分解されてしまうため、食べられる人も多いですがやはり個人差があるため、自分の体調や症状に合わせて選択するようにして下さい。さらに、アレルギーの表示義務がない食物もあるためパッケージなどの商品表示にある原材料名確認し、分からない場合は自分で判断せず必ず病院などで確認してから食べたり使うようにして下さいね。