スーパーフードとは

数年前から美容を意識している人の間で特に注目されている食べ物に「スーパーフード」と呼ばれるものがあります。アサイーやキヌアといえば聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。この他にもスーパーフードにはいくつか種類がありますが、どのような種類や栄養が含まれているのでしょうか。今回はスーパーフードとは一体何か、また種類やそれぞれの特徴などについて紹介していきます。

スーパーフードの特徴

ビタミン・ミネラル・たんぱく質・アミノ酸など必須栄養素や機能性成分を豊富に含んだ植物由来の食品のことを「スーパーフード」と呼びます。一般的な食品に比べると栄養価が高いのが特徴であり、一部の栄養や健康成分が多く含まれている食品もスーパーフードに含まれます。

2000年頃に海外セレブが健康や美容のために取り入れたことがきっかけで、世界中にスーパーフードの認知度が広がり、2016年頃に日本でもココナッツオイルやアサイー、チアシードなどが流行したため、割と記憶に新しい食べ物という印象が強いです。しかし、もともとは今から約40年以上も前にアメリカやカナダの医師や研究家が、栄養価が高く健康にもよい自然な食品に対してスーパーフードと呼びはじめたのが始まりです。

さらに各スーパーフードの原産地では、昔から健康や長寿などに効果的な食品として長い間重宝されてきたものばかりであり、アサイーは500年以上も前からアマゾンで、カカオはマヤ文明の頃から食べられており、記憶に新しいどころかはるか昔からスーパーフードとして食べられてきた歴史があります。

スーパーフードには特に体内の細胞を傷つけ、老化や肌のトラブルなどの原因となる活性酸素を抑える抗酸化物質を多く含む食品がいくつもあり、酸化を防ぎアンチエイジング効果を期待出来ることから、美容を意識している人を中心に広く注目されたのです。さらに、サプリ感覚で摂取出来ることや料理やスイーツなどに少し加えて摂取出来る手軽さも加わり、馴染みの少ない食品であるにもかかわらずその取り入れやすさから人気が高まりました。

しかし、スーパーフードには”栄養価が非常に高い・ごく少量でも栄養や健康成分を効率にとれる”といったこと以外ははっきりとした定義などはなく、提唱している人によっては異なる食品が挙げられることも多いです。そのため、日本スーパーフード協会では次のようなことをスーパーフードの基準としています。

スーパーフードの定義

  • 栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
  • 一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。

スーパーフードの基準

  • 「食歴」が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの。
  • スーパーフードの発祥の地アメリカで、一般的に「スーパーフード」として認知・評価されている食品であること。

さらに日本ではアメリカ・カナダでスーパーフードとして認知されているものの中で、日本スーパーフード協会が特に重要と考え優先的に推奨するスーパーフードのことをプライマリースーパーフード(ジャパニーズスーパーフード)と呼んでおり、スピルリナ・マカ・ゴジベリー(クコの実)・カカオ・チアシード・ココナッツ・アサイー・カムカム・ブロッコリースプラウト・ヘンプ(麻の実)の10種類が該当します。

代表的なスーパーフード

キヌア

約5000年も前からアンデス山脈の一帯で食べられているヒユ科の全粒雑穀です。たんぱく質・カルシウム・食物繊維・鉄・マグネシウムなどほとんどの栄養素が玄米よりも多く含まれており、バランスがよくカロリーが低めなのも特徴となっています。

黄色っぽく粒が小さいのが印象的ですが黒や赤などの種類もあり、クセが少ないため食べやすいです。基本的にはゆでてからサラダやスープに加えてプチプチした食感を楽しむのがおすすめですが、人によっては独特の風味を感じるため、白米に混ぜて一緒に炊くとより取り入れやすくなります。

チアシード

メキシコなどの中南米にある山岳地帯で栽培されている「チア」というシソ科の一年草の種子です。たんぱく質や食物繊維が豊富で必須脂肪酸であるオメガ3も含まれています。とても小さい黒色の種ですが水に浸けておくとジェル状になり10倍ほど膨らむのが特徴です。

そのため、満腹感を得やすく食べすぎの防止に繋がることや腸内環境を整え便通をよくしてくれることからダイエットや美容目的に取り入れられることが多いです。事前に下準備することもなく、小さじ1杯ほどをヨーグルトやジュース、水分の多い料理などに入れるだけで食べられるため手軽に取り入れやすいのもポイントです。ただし、直接口に入れることは避け、必ず水分を吸収した状態になってから食べるようにして下さい。

アサイー

ブラジルが原産のアサイーはブルーベリーに似た見た目をしたヤシ科の植物です。食物繊維とポリフェノール、ポリフェノールの1種でもあるアントシアニンが多く含まれていることから抗酸化作用が強いため、スーパーフードの中でも特に美肌に繋がるよい効果を期待出来る食品になっています。さらに、ビタミンE・鉄・オレイン酸も含まれておりクセもほとんどないため、アイスやスムージー、アサイーボウルといったスイーツに使われることが多く相性もよいことから女性を中心に幅広い年齢層に人気があります。

スピルリナ

地球最古の植物と言われる藍藻類の一種であるスピルリナは、濃い緑色をしたパウダー状やサプリとして販売していることが多いです。良質なたんぱく質を多く含んでおり、その量は植物の中では特に突出しています。他にも、ベータカロチン・緑葉素(クロロフィル)・ビタミンB群・鉄などの栄養素が約50種類以上も含まれており、不足しがちな緑黄色野菜の成分を補うにも優れています。

青のりに似た風味があるため日本人は取り入れやすく、パウダー状のスピルリナを料理やスムージーなどに少量入れるなど使いがってがよいのも特徴です。抗酸化物質も豊富であるため、たんぱく質との相乗効果で肌や髪などの若々しさを保つ効果が期待出来ます。

ゴジベリー

別名クコの実でもあるゴジベリーは中国が原産であり、6000年以上も前から漢方において長寿の薬とも言われているスーパーフードです。赤い実をしたゴジベリーは甘みとほのかな酸味があるため、ドライフルーツのように食べることが出来ますが、杏仁豆腐や中華粥などのトッピングとして使われることも多いです。また、加熱調理することも出来るため、炊き込みご飯やスープに入れても美味しく食べられることが出来ます。

β-カロテン・ビタミンC・B1・B2・Eなどのビタミン群やアミノ酸が多く抗酸化物質も含まれているため、視力回復や免疫力の向上などの生活習慣病を予防するのに効果が期待出来るでしょう。

カムカム

特徴的な名前ですが、最近はジュースやお菓子に使われていることも増えているため目にする機会が増えているカムカムは、南米アマゾン川流域の水辺を主な産地としており、サクランボのような赤く丸い見た目をしています。特にビタミンCとポリフェノールの含有量が多く、ポリフェノールはワインの7倍、ビタミンCにおいてはレモンの60倍と果物の中でも飛びぬけて高く1番多く含まれていると言われています。

クエン酸やミネラルなども豊富に含まれているため、病気や老化の予防、疲労回復、美肌効果などが期待出来ますが、非常に酸っぱいためそのまま食べるのではなく、搾ってドレッシングやマリネなどに使うのがよいです。

他にも、抹茶・アーモンド・アセロラなど馴染み深い食品から、ビーツ・サジー・ケールといった聞いたことがある食品、ルクマ・ヤーコン・ビーポーレンなどあまり聞いたことのない食品まで多種類のスーパーフードがあります。種類によっては生で食べる・乾燥している、オイルタイプ・パウダー状・粒状、下準備のありなしなど形状や使用方法もさまざまであるため、どのような栄養や効果があるのか、何に使いやすいのかを把握しておくとよりスーパーフードを日常的に取り入れやすくなります。非常に効率的に摂取出来るため、上手に使って不足しがちな栄養素を取り入れ、スーパーフードの持つ効果によりさらに健康的な体を作っていきましょう。