世界1のビタミンC含有量“カムカム”の凄さ

ビタミンCを多く含んでいる食べ物と言えばレモンやアセロラを思い浮かべるのではないでしょうか?しかし、そのレモンやアセロラよりさらに多くのビタミンCを含んでいるフルーツがあります。それが「カムカム」です。ここ最近では、ジュースやお酒、お菓子などにも使われていることが少しずつ増え、身近になりつつあるカムカムですがどのようなフルーツなのでしょうか?今回はカムカムについて特徴や含まれている栄養素の凄さについて紹介していきます。

カムカムとは

聞く機会が増えているといってもまだまだ未知なフルーツであるカムカムは、熱帯雨林である南米アマゾン川流域の水辺に自生しているフトモモ科の常緑低木です。マングローブのように水中でも育ち、さくらんぼに似た2~3cmほどの赤く丸い果実を実らせます。1年を通して収穫することが可能ですが、アマゾン地域の雨季の時期である12月~3月に収穫する果実には特に多くのビタミンCが含まれています。原産はペルーのアマゾン川上流、標高200mほどの場所で強い日照と10℃以上ある寒暖差、年間の平均気温が25℃という環境の中で自生しており、現地では昔から先住民に愛されてきたフルーツです。

他のフトモモ科としてはグアバやユーカリが該当し、日本でもフトモモ科の植物は小笠原諸島に自生していますが、カムカムが国内で栽培されていることは非常に少ないです。その背景として、果実が傷みやすいことやペルーには種苗法があること、生態系や現地の雇用環境などを守るために加工品を除いた苗木や生の果実をペルーの国外へ持ち出しするのが禁止されていたためとされています。しかし、アマゾン川流域での栽培が広がったことによりカムカムの苗木や種子の輸出が解禁され、現在、ブラジル産の種子や苗は日本でも入手することが出来るようになりました。2004年に開催された浜名湖花博では日本で初めてカムカムの木が公開され、馴染みの少なかったカムカムの認知が広がったことにより、ジュースやキャンディーなどカムカムを使った商品が増えつつあります。

このカムカムという名前には由来があり、水辺に自生するカムカムは果実が赤く色づき完熟すると水中に落下します。落下した果実を周辺に生息している魚がまるごと食べ、種子を吐き出す時にキャムキャムやシャムシャム、カカカカなどの音に聞こえることからいつの間にか現地の人の間で「カムカム」と呼ばれるようになったと言われています。

カムカムの1番の特徴はやはりビタミンCの含有量の多さであるため、レモンとまではいきませんがかなり酸っぱい味わいがします。原産国などカムカムを食べ慣れている人は完熟した果実を生のままで食べることの方が多いそうですが、食べ慣れていない人にとっては酸っぱさが強くそのままでは食べられないという人もいます。また、さくらんぼのような見た目をしていますが、香りはスモモやプラム、梅に近い香りがするのも特徴です。

カムカムに含まれる栄養と効果

スーパーフードの1つでもあるカムカムには次のような栄養素が含まれています。

  • 食物繊維
  • アミノ酸
  • 必須脂肪酸
  • ビタミンA・B・E・C
  • クエン酸
  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • ナイアシン
  • 亜鉛
  • リン
  • ポリフェノール など

ビタミンC

豊富に含まれる栄養の中でも特に多く含まれているのがビタミンCです。100gのカムカムには約3,000mgものビタミンCが含まれており、その量はレモンの約60倍、ビタミンCの王様ともいわれているアセロラよりも約2倍も多いのです。野菜で1番多くビタミンCを含んでいる赤ピーマンと比べても約16倍も多く、フルーツだけでなく野菜を含めてもビタミンCの含有量は1番となっています。

ビタミンCは体内でコラーゲンを作り出し、丈夫な骨や血液、筋肉、肌など私たちの身体を構成するために大切な栄養素となります。さらに、ビタミンCには、白血球の働きを活性させて免疫力や回復力をUPさせる、抗酸化作用により身体の内側からサビさせるのを防ぎ老化・肌のシミ・しわを予防する、ドーパミンなどの神経物質やストレスを軽減させてリラックス効果を高める、ビタミンB2などと一緒に血液中のコレステロールを減らして生活習慣病を予防するなど身体にとってさまざまなよい効果をもたらします。

しかし、ビタミンCは体内で作ることが出来ず、蓄積しておくことも出来ません。1日あたりの最低摂取量は100mg(約レモン1個分)になりますが、熱に弱く水にも溶けやすい性質を持っているため、日常的に野菜やフルーツを食べていないとなかなか摂取することが出来ないのが難点です。ですが、カムカムは含有量が多いだけでなく分解が早く吸収率も高い天然のビタミンCが含まれているため、少量でも必要な量を摂取することが出来るのです。

ポリフェノール・クエン酸

ビタミンCが非常に多いカムカムですが実はポリフェノールの含有量もとても多く、100gに約1,400mgが含まれています。ポリフェノールが多いイメージの強い赤ワインやコーヒーよりも約7~10倍、栄養価の高いアセロラと比べても約5倍も多い含有量となっています。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、消費されなかった活性酸素が細胞を傷つけることや体内に蓄積するのを抑制して老化・シミ・しわの予防、ガンや糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも繋がります。

また、柑橘系や梅干しなどの酸っぱい食べ物に多く含まれるクエン酸もカムカムには含まれており、疲労やストレスなどにより発生する疲労物質の乳酸を分解して体内の蓄積を抑え新陳代謝を上げる他、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを効率的に吸収して疲労回復に繋がる効果も期待出来ます。そのため、カムカムに含まれる豊富なビタミンCやポリフェノールの持つアンチエイジング効果だけでなく、クエン酸やビタミンB群も含めると心身の疲労を回復させて健康で疲れにくい身体を作るために役立つ栄養素が多いのもカムカムの特徴の1つとなっています。

カムカムを摂取することで期待出来る効果

  • 免疫力UP
  • 疲労回復
  • 感染症予防
  • ストレス軽減
  • 美肌・美白効果
  • アンチエイジング
  • 抗炎症作用
  • コラーゲンの合成
  • コレステロールを下げる
  • 生活習慣病の予防
  • 丈夫な身体をつくる
  • など

カムカムの摂取量と食べ方

ビタミンCやポリフェノールをはじめとした栄養素を豊富に含むカムカムをより効果的に摂取するにはどうすればよいでしょうか。

はじめの方にもお伝えしたように、輸出が解禁されたといっても輸出の取り締まりが厳しいことは変わらず、果実が傷みやすい性質もあり日本国内に生の果実がそのまま入ってくることはほとんどありません。基本的に日本にはピューレ状に加工されたカムカムが輸入され、これをさらに加工して果汁やパウダー状にした状態で販売されていることが多いです。そのため、メーカーや商品、形状によっても濃縮度などが変わってしまうため、ビタミンCの1日の最低摂取量である100mgを目安に取り入れるのがよいでしょう。

ただし、通常ビタミンCは大量に摂取しても、必要以上は吸収されず排出されてしまうため体に悪影響を及ぼしにくいですが、カムカムに含まれるビタミンCの量がはるかに多いため、摂取しすぎると体質によっては腹痛や下痢といった消化器官系の不調を起こす可能性があります。成分を凝縮したサプリメントなども摂取しすぎると不調を起こす可能性が大きくなるため、必要以上に摂取しすぎないように注意して下さい。また、腎臓機能に問題を抱えている場合にも、腎結石のリスクなどが高まる可能性があるため注意が必要です。

摂取方法としては使い方にもよりますが、パウダー状のものより果汁タイプの方が使用用途が広く、ヨーグルトやスムージーに加える、果汁を水・炭酸・牛乳などで割ってジュースとして飲むなど手軽に摂取することが出来るため、継続しやすいというメリットがあります。割るものを焼酎などのお酒に変えてサワーとして飲むのもおすすめです。

また、レモン果汁やお酢の代わりとしてカムカムの果汁をドレッシングや餃子のタレ、酢のものなどに加えるとさっぱりした味わいを楽しめるため、料理にも使える万能さがあります。レモンの代わりとするなら紅茶に加えてカムカムティーとして楽しむなんてことも出来るでしょう。ゼリーやアイスなどのお菓子やスイーツを作る際に加えることも出来るため、手軽に使いたい場合やジャンルを問わず幅広く使いたい場合には果汁タイプがおすすめです。

ただし、商品によって濃縮度が違うことも多いため、使う前に必ずパッケージを見て使い方などを確認してから使うようにして下さい。また、ビタミンCは熱に弱い性質があるため、料理などに使う場合は調理後の仕上げのタイミングで使うのが大切なポイントとなります。

最近では、手を加えなくてもジュースやグミ、キャンディー、さらにはカムカムを使ったポン酢など購入してそのまま食べたり使うことが出来る商品も増えてきているため、取り入れやすい形から試してカムカムに含まれる栄養素を手軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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