JAS規格の定義には入らずこいくち醤油の一種
東北・北陸・九州地方で一般的に使われている、こいくち醤油に砂糖や甘味料が入った甘い醤油です。通常のこいくち醤油に比べると塩分も抑えてあるのでマイルドなのが特徴です。
- 地域によって甘さの強さが変わる
- 甘味料は甘草、ステビア、サッカリン
- 砂糖は使わず甘味料だけで作られているものもある
- 甘口醤油の中でアミノ酸などのうま味成分が加わったものを「うまくち醤油」と呼ぶ
- 東北や北陸より九州産のものの方がより甘く作られている醤油が多い
特に九州地方で好まれており、九州では基本的に甘口醤油を使用しています。沖縄県や奄美諸島で砂糖がよくとれ手に入れやすかったことや、九州でよく飲まれている焼酎のつまみに甘い味付が好まれたことなど、いくつか諸説はありますがこれらが甘い醤油が九州に広がった理由と言われています。また、北陸や東北でも日本海側の方が甘い醤油が好まれやすく、内陸になるにつれしょっぱい醤油を使うことが増えていくようです。
甘い醤油は大きく分けて2つあり、砂糖やブドウ糖を加えて作られた本醸造の醤油と、甘草やステビアなどの甘味料を加えて作られた混合・混合醸造のものがあります。よくある甘口醤油は混合・混合醸造のものが多いですが、本醸造のものはしょっぱさを和らげる目的で作られていることがあり違った味わいを感じることが出来ます。
甘さの強さは作られている地域や商品によって大きく変わり種類もたくさんあるので、ぜひ自分好みの甘口醤油を探してみて下さい。
甘口醤油に向いている料理
甘口醤油には砂糖や甘味料みりんなどが入っているので、料理も全体的に甘くマイルドな味付けになります。だし醤油感覚で使うことも出来るため、直接つけたりかけたりして使う料理に向いています。また、甘みが照りやコクを出してくれることから煮物や煮つけにも向いており、甘めの味付が好みの人や子供にも好まれやすい料理にすることが出来ます。
九州では特有のとろみと甘みが素材に絡んでおいしく感じることから刺身醤油として馴染み深く使われています。
・焼きおにぎり ・刺身
・煮物 ・胡麻和え
・卵かけごはん
代表的なの甘口醤油の製造会社
1.あまくちしょうゆ/ホシサン
2.あまくちさしみ/フンドーキン
3.ゴールデン紫 あまくち/フンドーキン
4.さしみしょうゆ 甘口/カネヨ
5.特級うまくち/マルヱ醤油
甘口醤油を使う地域
東北・北陸地方
内陸より日本海側の方がより甘い醤油を好んで使っています。山形県で有名な芋煮もだしが加わった甘い醤油を使っていることが多いです。
中国地方
瀬戸内より日本海に面している地方はより甘い醤油を好んでおり、日本を全体的に見ても日本海側の方が甘い醤油を使う傾向があります。
高知県や愛媛県では九州の影響でより甘みが強い醤油を使っている所が多いようです。
九州地方
九州では甘みのある混合醤油を多く作っていますが、糖分または甘味料を加えた本醸造醤油も作っています。
九州の醤油は特に甘いものが多く、慣れていない地域の人の中には甘すぎると感じる人も多いです。反対に甘い醤油を使っている地域の人には一般的な醤油がしょっぱすぎると感じるようです。
特に南九州の醤油は料理する際、砂糖やみりんを使わなくても大丈夫なくらい甘く作られています。苦手な人や慣れていない人は北九州の醤油の方が甘さが抑えられているのでおすすめです。