醤油はヴィーガン・ハラルでも対応して食べられるのか

日本は海外からの旅行先としてとても人気があり、コロナ後さらにその人気は高くなっています。それに伴いさまざまな在留資格を持っている外国人も年々増え続けており、日本に住む外国人は2023年6月には322万人にもなります。そこで注目されているのは、宗教やライフスタイルの多様性による食の文化への配慮です。特にここ数年でよく聞くようになったヴィーガンやハラルですが、日本の食文化は問題なく食べられるのか気になるところです。せっかく日本に訪れてくれているのであれば、美味しい日本食を安全に食べてもらいたいですよね。今回は日本食には欠かせない調味料の1つである醤油はヴィーガン・ハラルにも対応出来るのか調べてみたので紹介していきます。

ヴィーガンでも醤油は食べられるのか?

ヴィーガンとは動物性の食品を一切食べない、動物由来の製品も使用しないというライフスタイルになります。動物性の食品は肉や魚はもちろんそれらを使った加工食品、卵、牛乳、乳製品、虫、さらにははちみつなど動物が作り出したものまで制限しています。動物由来の製品も革製品や羽毛、動物を使った楽器など分かりやすいものから、コスメなど一見動物が関係していないものだとしても動物実験を行って作られた過程があるものまで使用しないとしています。

理由としては環境や動物保護のため、健康志向から取り入れていることが多いです。しかし、あくまでライフスタイルの1つであるため、魚は食べるが肉は食べない、卵は食べるが乳製品は食べないなど制限している範囲は人によって違うことも多くあります。

ヴィーガンと間違われやすいベジタリアンは基本的に食べられる範囲が少し広く、卵や乳製品、牛乳、はちみつなど動物を殺さずに摂取出来る食品は食べられます。しかし、ベジタリアンにも乳製品は食べるが卵は食べない、基本的には植物性食品を食べるが動物性を食べることもあるなど範囲や判断は人によって分かれます。基本的にはヴィーガンと同じく環境や動物保護、健康志向に加え、宗教的な理由から取り入れている人も多いです。

どちらにしても植物性食品を中心とした食生活から“大豆・小麦・塩”から出来た醤油は食べることが出来ます。醤油はJAS規格(日本農林規格)によって動物性のたんぱく質などの添加は認められていないため、「醤油」と表記や記載があるものは問題ありません。

しかし、中にはかつお節やかき・しじみなど魚介系の出汁が加えられている醤油があり、そういうものはヴィーガンは食べることが出来ません。これらは「醤油」の扱いではなく「しょうゆ加工品」となるため、表記にも注意することが必要です。

インターネットで検索すると“ヴィーガン 醤油 だめ”というワードが現れることがあります。基本的な範囲であればヴィーガンも醤油は問題ないのですが、こだわりを持っている人の中にはさらに範囲を制限している人もいるため、こちらも取り入れている人による判断によるものとなります。

ハラルとは・ムスリムの人でも醤油は食べられるのか?

まず、初めにハラル・ムスリムについて紹介します。

ハラルまたはハラールとはアラビア語で“許可”を意味します。これはイスラム教の教えとして許可したものを指し、その対象は行動や飲食など日常的な生活全てが含まれます。反対にその教えに禁じられたものはハラムまたはハラームと言われており、イスラム教を信仰している人々をムスリムと呼んでいます。

このハラル・ハラムは神様が決めたものとされており、ハラルで許可されている食事はハラルフードと呼ばれています。ハラムによる禁止されている内容には盗むことや嘘をつくことの他に食事に対してもいくつか禁じられているものがあり、その中でも特に周知されているものとして“豚肉など豚に関するものは食べていけない・アルコールを含むものは口にしてはいけない“ということがあります。

これによると通常の醤油はハラムに含まれてしまいます。実は一般的な醤油は2~3%のアルコールが含まれているのです。これは、原材料に使っている小麦の酵母によってアルコール発酵が行われているためとなります。

しかし、近年日本を訪れる外国人や在留資格を持つ外国人の中にはイスラム教を信仰している人が多いことや国際サミットなどで国際的に取り上げられていることも多いため、なんとかして醤油に触れてもらいたいという思いから「ハラールしょうゆ」という醤油を開発しました。

開発したのは醤油の大手メーカーであるキッコーマンで独自の製法により小麦を使わずに醤油を作っています。そのため、アルコール発酵を抑制しており、ハラール認証を受けているだけでなく、小麦を使わないことからグルテンフリー食品としても使うことが出来ます。もちろんイスラム教徒の人だけでなくヴィーガンやベジタリアンにも使うことが出来、健康志向やアレルギーを持つ人などより広く多くのライフスタイル向けに使える醤油となっています。

気になる見た目や風味はキッコーマンから出ている従来のこいくち醤油とほとんど変わらない仕上がりになっているそうです。小麦を使わない分、本来と同じ製造過程では風味など近づけることは難かったそうですが、長い年月をかけ試行錯誤した結果ほとんど変わらない品質にすることが出来た、努力の詰まった醤油になっています。キッコーマンから販売しているハラール醤油以外にも、まだ少数ですがフンドーキンや丸十大屋など他のメーカーからもハラール認証を受けた醤油を販売しています。

このような思いやりと努力によって作られた醤油はこれまでに醤油を食べられなかった人達にも醤油の美味しさを味わってもらうことが出来ます。美味しく広いライフスタイルに合わせた醤油を使って多くの人に日本食を美味しく楽しく味わってもらいたいです。