調合みそ(合わせみそ)の特徴

 調合みそとは米みそ・麦みそ・豆みそのうち2種類以上の味噌を混ぜ合わせた味噌。または、複数の麹を混ぜて作られた味噌のことです。合わせみそとも呼ばれており、米みそ・麦みそ・豆みそと呼ばれる味噌以外のものが当てはまります。

もちろん味噌単体でもおいしいのですが、この異なった味噌を組み合わせることで単体では出せないコクやうま味が増し、違った風味や美味しさを味わうことが出来ます。

調合みそで有名なのは豆みそと米みそを合わせた「赤だし」です。豆みその一種である八丁みそは個性が強いので、違う味噌と合わせることで癖が少なり、食べ慣れていない人でも食べやすくなります。また、麦みそも他の味噌と比べると甘く感じることから、違う味噌と合わせることでそれぞれの良さを残しつつ食べやすい味にすることが出来ます。米みそでも辛口と甘口を混ぜたものは調合みそになります。

このように混ぜる味噌の種類や数、麹の種類、だしなどの調味料を入れるか入れないかによっては無数の調合みそが存在します。
調合みそはスーパーで簡単に買うことが出来ますが、持っている味噌を混ぜるだけで自分で簡単に作ることも出来ます。売っているものの中には6~8種類、多いものだと10種類の味噌をブレンドして作られている味噌もあります。

合わせることでマイルドな風味になるので、どんな料理に使っても相性がよくおいしく食べることが出来ます。地方色豊かな味噌を楽しむ1つとして好きな味噌を合わせてみてはいかがですか?

変わった味噌/特殊な味噌

 これまでに味噌には大きな分類があり、種類としては”米みそ・麦みそ・豆みそ・調合みそ”を紹介してきました。
ですが、それ以外にも聞いたことがある味噌はいくつか存在しています。4種類の味噌に含まれない味噌を紹介していきましょう。

もろみみそ
 元々もろみとは醤油や味噌を作るときに出る残りカスで、味噌を作った後のもろみを「もろみみそ」と呼んでいました。現在では食べることを前提に作られており、醤油や砂糖などに漬け込んだおいしい調味料に近い味噌になります。
麹に塩水を加えて発酵・熟成して作っているので、味噌より醤油の作り方に似ています。もろみみそ特有のつぶつぶは原材料の大麦をあえて潰さず残して作られているからです。
きゅうりなどの生野菜に直接つけて食べることが多いですが、炒め物など火を通しても美味しく食べることが出来ます。

雑穀みそ
 五穀や粟、そば、キヌアなど雑穀で作られた味噌です。健康志向の人に人気があり、また大豆アレルギーの人でも食べらることが出来ます。あっさりしていながらも、栄養価がとても高い味噌となっています。

なめみそ(加工なめみそ/醸造なめみそ)・おかずみそ
 味噌の中にはみそ汁や調味料として使わず、そのまま食べる「なめみそ」または「おかずみそ」と呼ばれるものがあります。これは、ごはんのお供やお酒の肴として食べるものになり、よく聞くものもあれば地方特有のものもあります。

加工なめみそ
 味噌に食材や香辛料を混ぜて練ったり煮詰めたりして作られる、いわゆるおかずみそ。馴染み深いものはこちらの方が多いと思います。

  • ピーナッツみそ:茨城県の郷土料理で落花生が入っている
  • 鉄火みそ:赤みそに野菜やいり大豆を混ぜ合わせた加工味噌
  • にんにくみそ:細かく切ってあるものと、まるごとのものがある。お肉の薬味などにも最適
  • 鯛みそ:鯛の実が入った甘口の味噌
  • 柚子みそ:ゆずの皮や果汁の入ったさわやかな味噌

醸造なめみそ
 麹・塩・野菜・魚介などの食材を発酵・熟成させて作ったものです。地方色が強く出るのはこちらの醸造なめみそになります。

  • 金山寺味噌:和歌山・静岡・千葉作られているなめみその一種。大豆・麦・米・しそやナス、生姜などの野菜を合わせて3か月ほど熟成して作られています。
  • ソテツみそ:奄美大島や沖縄の粟国島で作られており、粉砕したソテツの実に玄米や麦を混ぜて作った麹と大豆・さつまいも・塩から出来ている味噌。ソテツを主原料としているものは調味料として使われ、玄米を主原料としているものはなめ味噌として食べられています。また、ラードとソテツ味噌を混ぜたアンダミスーと呼ばれる脂味噌は沖縄の伝統的な保存食になっています。
  • ひしお味噌:夏場に麦麹から作られる日本の伝統的な甘辛い味噌 
  • はまなみそ:米麹から作った甘酒に豆麹・醤油・塩づけなす・しその実・生姜などを入れて作った冬限定の福井の郷土料理。諸説はありますが、徳川家康が好んでいた浜松の浜なっとうが名前の由来になっています。

海外の味噌
 海外にも味噌に似た特徴を持つ調味料があります。

  • 豆板醤(トウバンジャン):中華料理にかかせない、そら豆に唐辛子と塩を加えて作られた唐辛子味噌
  • 甜麺醤(テンメンジャン):こちらも中国の味噌ですが、豆板醤と違い甘いのが特徴。原材料は小麦・塩・麹
  • コチュジャン:韓国ではコチュジャンと呼ばれる唐辛子味噌を使います。もち米などの穀物と「メジュ」と呼ばれる煮た大豆をすりつぶして発酵させたもの・醤油・唐辛子を混ぜて発酵・熟成させて作っています。辛いだけでなく甘さも持ち合わせたコクのある味噌です。