中国・四国地方のご当地ラーメンの種類と特徴

 全国には各地の特色が見られる個性豊かなご当地ラーメンがたくさんありますが、特に中国・四国地方のご当地ラーメンは他の地方ではあまり見られないような特徴を持つラーメンがあります。そんな中国・四国地方のご当地ラーメンを紹介していきます。

中国・四国地方のご当地ラーメン

尾道ラーメン/広島

 80年の歴史を持つ尾道ラーメンは広島の東部を中心に親しまれているラーメンです。瀬戸内海で収穫されるいりこと鶏ガラから取った出汁に醤油ダレを合わせたスープはさっぱりとしていますが、特徴でもある大きめなミンチ状の背脂が入ることでコクの強いこってりしたおいしさを生み出してくれます。具材はチャーシューやメンマなどシンプルであり、中細ストレートの平打ち麺が濃厚なスープとよく絡みます。尾道ラーメンの背脂は柔らかくプルプルしており、関東など他の地域でも食べられている背脂の入ったラーメンとは一味も二味も違うラーメンとなっています。

広島ラーメン/広島

 広島の東部発祥の尾道ラーメンに対して西部を中心に愛されているのが広島ラーメンです。黒っぽい見た目の尾道ラーメンとは違い、豚骨ベースに作られた乳白色の色をしている豚骨醤油のスープには相性の良い細めのストレート麺が使われています。豚骨ベースのラーメンの中ではかなりあっさりしており臭みが少なくマイルドなのも広島ラーメンの特徴となります。

笠岡ラーメン/岡山

 笠岡ラーメンは鶏ガラベースの醤油ラーメンです。笠岡では昔から養鶏が盛んであり、具材にも豚を使ったチャーシューではなく“かしわチャーシュー”や“煮鶏(にどり)”と呼ばれる親鶏を煮て作ったチャーシューを乗せているのが特徴です。チャーシュー以外の具材はシンプルですが、斜めに切った大きめの青ネギを入れるのも笠岡ラーメンならではとなっています。

鳥取牛骨ラーメン/鳥取

 全国的にも少ない牛骨から出汁を取って作られる牛骨ラーメンは、あっさりしていながらも牛骨からしか味わえない甘みや香ばしい香りを感じられるのが特徴です。タレはお店によって違いバリエーションも豊富ですが、スープのうま味を感じられるよう醤油ラーメンや塩ラーメンとして提供しているお店が多いです。

徳島ラーメン/徳島

 徳島ラーメンのルーツは乳白色の豚骨スープですが、現在は豚骨ベースのスープに薄口醤油などで味付けをしたあっさりしている「白系」、豚骨ベースのスープに濃口醤油などで味付をした甘辛い「茶系」、鶏ガラや野菜を使ったマイルドな「黄系」の3種類に分かれています。基本的に麺は中細のストレート麺を使っており、スタンダードな具材に加え煮卵ではなく生卵とチャーシューの代わりに甘辛く煮た豚バラを乗せるのが特徴となっています。

鍋焼きラーメン/高知

 鍋焼きラーメンは硬めの細ストレート麺を使った鶏ガラベースの醤油ラーメンですが、1番の特徴は土鍋やホーロー鍋で煮込みそのまま器として提供していることです。出前の際にラーメンが冷めないようホーロー鍋に入れて届けたのが始まりと言われており、現在はスープが沸騰した状態で提供することが1つの定義となっています。具材も親鳥の肉・ねぎ・生卵・ちくわなどを入れるのが定義となっており、全部で7つの定義をクリアした上で特色を出しているお店も多くあります。

まだまだある中国・四国地方の個性豊かなラーメン

 中国・四国地方にはご当地ラーメンとしては広まってはいないけれど、地元の人を中心に愛されている個性豊かなラーメンがいくつかあります。

出雲そばで有名な島根では松江や出雲がしじみの産地であり、特産物のしじみを使った“しじみラーメン”があります。出汁や具材としてしじみを使っており、しじみのうま味をダイレクトに味わうことが出来ます。

うどん県としても知られている香川ではいりこを使った黄金色をしたスープが特徴の”讃岐ラーメン”の人気が高く、シンプルでうどんのようなあっさりとしたスープはいりこのコクを感じられます。

山口では“宇部ラーメン”と呼ばれる豚骨の香りが強い濃厚なうま味を感じられるラーメンが親しまれており、独特の香りは「くさうま」と表現されているほどです。

どれも他のご当地ラーメンに比べると提供しているお店がさらに少く、限られた地域だけでしか食べられないラーメンとなっているため、知る人ぞ知るラーメンとなっています。そのため、これから全国的にも人気が出てご当地ラーメンとして名が知れ渡る可能性がとても高いため、早いうちに目をつけて味わっておくのも良い経験になるかもしれません。