小麦粉の種類は何種類ある?

 古くからお米の文化が強い日本でも普段の生活ではパンやケーキ、うどん、パスタなど小麦粉を使った料理が多く存在し、スーパーやコンビニでも手軽に買えることやお店の多さから口にする機会がとても多いです。しかし、小麦粉といっても薄力粉や強力粉のように種類が分かれており、作るものによって使う小麦粉には向き不向きがあります。そんな実は奥深い小麦粉の種類や特徴を紹介していきます。

小麦粉とは

 まずはじめに小麦粉とは、小麦を細かく挽いて加工し粉状にしたものであり、主な成分はでんぷん・タンパク質・灰分になります。小麦は外側から中心に向かってミネラルや食物繊維を含む表皮、主成分がでんぷんやタンパク質である胚乳、脂質やミネラルなどが含まれる胚芽という3つの構造から出来ています。小麦粉を製粉する際に1番多く使われる部分が胚乳となるため、小麦粉の主成分もでんぷんの割合が1番多くその割合は全体の約70~75%にあたります。

その次に多く含まれるタンパク質は全体の7~13.5%にあたり、水を加えてこねることにより「グルテン」が作られ、小麦粉の持つ弾力性や粘着性が生まれます。灰分とはカリウムやリン、カルシウム、ビタミンなどのミネラル分ことであり小麦の表皮や胚芽部分に多く含まれています。全体量としては0.3~0.6%と多くはありませんが、灰分が高いと茶色っぽい色合いとなり小麦の香りや味わいが強くなります。反対に灰分が低いと白っぽい色合いとなり軽い風味になります。

小麦粉の歴史は古く、今のようなパンの形とは違いますが古代エジプトでは紀元前3000年頃(約5000年前)には発酵していないパンが食べられていた記録があり、壁画にも小麦を収穫している様子が描かれている部分があります。日本でも弥生時代には小麦を栽培しており、江戸時代の開港をきっかけに国内でも広がった麺やカステラなどのお菓子に小麦粉をよく使うようになりました。明治時代には西洋の文化とともにパンも国内で徐々に広がっていき現在ではお米と肩を並べるほど重要な食文化となっています。

強力粉(硬質小麦)

 小麦粉の中では1番タンパク質が多いため粘り気や弾力性が高く、こねるとコシが出るのが特徴です。その性質からパンや中華麺、乾燥パスタに使われることに向いており、ふわふわしたケーキやお菓子には不向きとなっています。9割がアメリカやカナダ、オーストラリアからの輸入となります。タンパク質の含有量は全体の12%前後であり、強力粉を使ったパンやピザは焼くと外側がカリッと、内側はモチっとなるのも特徴になります。

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中力粉(中間質小麦)

 強力粉と薄力粉の間の性質を持ち合わせているのが中力粉です。うどんに適した小麦粉でもあるため日本ではうどん粉とも呼ばれ、実はなじみ深い小麦粉でもあります。うどんの他には硬めの触感のかりんとうやクラッカー、ドーナッツなどのお菓子を作る時にも向いており、50%が国産、残りの50%はオーストラリア産のものが多いです。

薄力粉(軟質小麦)

 小麦粉といえば1番最初に思いつくほど身近な存在でもあるのが薄力粉です。ですが、日本での栽培は少なくそのほとんどがアメリカからの輸入に頼っています。タンパク質が8.5%以下であることが定められており、含有量が低い程さらさらとした質感になっています。粉のキメが細かいのが特徴で薄力粉を使った料理やお菓子はふんわりと柔らかい仕上がりになります。また、粘り気のもととなるグルテンの力も低いため、てんぷらなどに使うとサクッとした仕上がりにもなります。ホットケーキやシリアル、生パスタなど薄力粉を使う料理の幅は広く、メーカーによって仕上がりや風味に違いが出やすくなっています。

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全粒粉

 通常小麦粉は”ふすま”や”ブラン”とも呼ばれる表皮の部分を取り除いてから製粉をしていますが、全粒粉は小麦の表皮も含めすべてを製粉して作られています。そのため白っぽい小麦粉と違い茶色っぽい色をしており、独特の風味や食感が出ます。小麦に含まれる食物繊維やミネラル・ビタミンなどの栄養分も豊富に含まれ健康志向の人にも人気が高いです。しかし、栄養分が多く含まれるため長期保存には向かず、表皮なども入ることでタンパク質の性質も下がってしまいます。そのため、仕上がりも強力粉や薄力粉に比べると下がってしまうため、他の小麦粉とブレンドして使われていることも多いです。

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グラハム粉

 全粒粉の1種であり、全粒粉よりさらに粗く製粉しているのがグラハム粉になります。小麦粉を製粉する際には布を使ってふるいにかけているのですが、グラハム粉にはその工程がありません。使い方は全粒粉と同じように使うことが出来、特にパンやクッキーに使うのが向いています。食生活改革者でもあった牧師の”シルベスター・グラハム”の名前がグラハム粉の名前の由来となっています。

セモリナ粉(デュラム小麦、デュラムセモリナ粉)

 セモリナ粉はほかの小麦粉と原料が少し違う品種のデュラム小麦を使って作られています。デュラム小麦は強力粉よりさらにタンパク質が多く、ほかの小麦粉より粒子が粗く黄色っぽい色合いが特徴です。通常はタンパク質が多いと粉を手で握っても固まりにくい性質がありますが、セモリナ粉は固まりやすく変形させやすい特徴を持っています。そのためこの特徴が様々な形に加工されるパスタを作るのに向いているため、パスタに使われることが多いです。古くからパスタの文化のあるイタリアで粗びきという意味のイタリア語「semola」から名前がついています。

浮き粉

 小麦粉のタンパク質の成分でもあるグルテンを取り除いたでんぷんから作ったものが浮き粉となります。中華料理や和菓子に使われることが多く主な成分がでんぷんであるため片栗粉に似た特徴を持ち、加熱することでツルっとした食感や透明感を生むことが出来ます。そのため、餃子の皮にも使われるていることが多いです。また、ふわっとした仕上がりにすることも出来るため、たこ焼きや明石焼き、ケーキにも使われています。

ライ麦粉

 ドイツのパンによく使われているライ麦から作られる小麦粉であり、タンパク質の成分でもあるグルテンを作らないのが1番の特徴となっています。そのため、パンなどを作る際に起こる発酵による膨らみはほとんどなく、目の詰まった重たいパンになります。独特の風味や酸味がありグレーっぽい色の見た目をしていますが、食物繊維やミネラルが豊富で栄養価が高いため、近年人気の高い低G2食品としても注目されています。

米粉

 米粉は日本では古くから和菓子の材料として使われており、お米を細かく砕いて粉状にしたものになります。製粉技術が発達したことによって細かい粒子の米粉を作ることが出来るようになり、現在ではパンやケーキなどに幅広く使われています。もっちりした食感が特徴で小麦に含まれるグルテンが米粉にはないため、グルテンフリー食材としてアレルギーのある人でも安心して食べらることが出来ます。また、製法によっては、白玉粉・上新粉・もち粉などに分けられています。

片栗粉

 小麦から作られる小麦粉に対して、じゃがいも(馬鈴薯)のでんぷんを使って作られているのが片栗粉です。もともとは、ユリ科の”カタクリ”という植物の地下茎から作られたでんぷんの粉でしたが、明治以降にじゃがいもの栽培が盛んになったことや大量生産をするために原料がカタクリからじゃがいもへと切り替わりました。小麦粉に比べると色は白く強いとろみをつけることに向いています。

コーンスターチ

 とうもろこしから取れるでんぷんで作られているのがコーンスターチです。お菓子に使われることが多く、さらさらした白っぽい見た目をしています。水をまぜてもグルテンを作り出さないため、小麦粉にコースターチを加えるとサクッとした仕上がりにすることが出来ます。また、カスタードクリームを作る際に小麦粉を使うと重ためのクリームになりますが、コーンスターチを使うとなめらかなカスタードクリームに仕上がります。

唐揚げ粉やてんぷら粉は小麦粉ではない?

 料理をする際に小麦粉より簡単に風味よく作ることが出来る唐揚げ粉やてんぷら粉を使っている人も多いのではないでしょうか。これは小麦粉ではなく、小麦粉に他の穀粉や膨らまし粉、ショートニング、調味料などがブレンドされているものになります。

小麦粉には種類がたくさんあり、見た目が似ていてもそれぞれが持つ性質や特徴は大きく違うものが多いです。小麦粉をうまく使うことで作る料理やお菓子の仕上がりだけでなく食感や風味の良さにも繋がりますが、間違えてしまうと失敗に繋がってしまいます。そのため、唐揚げ粉やてんぷら粉のようなブレンドされたものを使うことで失敗しにくく手軽でおいしい料理が作ることが出来ます。他にもお好み焼き粉やたこ焼き粉、パン用のミックス粉、ホットケーキミックスなど種類もたくさんあり、状況や作るものによって使うと風味豊かな味わいを楽しむことが出来ます。

好きな料理や料理家さんのレシピによっては小麦粉から作ることで本格的な味や食感を楽しむことも出来るため、うまく使い分けてさらにおいしく楽しい料理やお菓子を作ってみてくださいね。