強力粉・中力粉の違いとは?

 日常的に食べることが多い、パンやパスタ、中華麺、ケーキなどは小麦粉を使って作られています。小麦粉を購入する際に袋には薄力粉や強力粉などが記載されており、どのような違いがあるのかはっきりと分からない人も多いのではないでしょうか。そんな小麦粉の中でも使われていることが多い”強力粉”と実は馴染み深い”中力粉”の2種類の特徴と違いを紹介していきます。

強力粉の特徴や産地

 強力粉は硬質小麦と呼ばれる粒の硬い小麦を製粉して作られた小麦粉です。硬質小麦は粒の組織が密になっており、断面が半透明に見えることから「硝子質小麦」とも呼ばれています。硬質小麦にはたんぱく質が多く含まれているため原料として作られた強力粉もたんぱく質の割合が高くなり、その割合は小麦全体の11.5~13.5%になります。

強力粉の産地

硬質小麦の産地は87%が海外産のものを使っています。国内では北海道を中心に全体の13%ほどを生産していますが、主な輸入先としては質が良く価格も安価で硬質小麦が手に入るアメリカ・カナダ・オーストラリアとなっています。国産小麦のうち強力粉になる品種の6割は北海道で生産されています。

海外から輸入される小麦はタンパク質含有量が多く、パンを焼く際にはふんわりとした食感になりパン屋さんによっては敢えて国産ではなく輸入された小麦をされるお店もあります。国産の小麦はタンパク質含有量が海外さんと比べてやや少なく、そのような背景から取り扱いがやや難しいとされてきましたが、小麦の風味をしっかり感じ、もっちりした食感を味わえます。そのため、食感を重視するなら海外産、小麦の風味を重視するなら国産とお店や嗜好によって使い分けられてきました。また、国内でも海外産のようにタンパク質含有量の多い品種が開発されており、特に近年北海道で生産されている「春よ恋」と呼ばれる品種は他の品種とブレンドしなくても単独でパンを焼くことができる優れものであり注目されています。

強力粉の用途と準強力粉

小麦にはグルテンと呼ばれるアミノ酸から出来たたんぱく質が含まれており、ここまで解説してきた通りパンに適した品種で他にも麺などを作る際には小麦粉に水を加えてこねる作業をすることによってグルテンが粘りや弾力、コシを生み出してくれます。パンはもちろんのことピザ、中華麺などを作ることに向いています。一方でふわっとした食感が特徴のパンやケーキ、お菓子、サクッとした天ぷらなどには不向きの小麦粉となります。また多くの麺類に採用される強力粉ですが、うどんについては中力粉が使用されることが多く、強力粉だとッコシが強く出過ぎてしまうなど、グルテンのバランス的に中力粉が向いています。

ちなみに、フランスパンやハードパンなど外側がパリッとした食感のパンや何層も重ねて作るサクサクした食感が特徴のクロワッサンなどにはたんぱく質の多い強力粉を使ってしまうと上手くその食感が作り出されません。そこでよく使われているのが”準強力粉”です。タンパク質の含有量が強力粉より少なく、中力粉より多い約10.5~11.5%にあたります。また、ハードパン以外にもその性質を生かして準強力粉や他の小麦粉とブレンドしたものを使って中華麺や菓子パンを作っているものもあります。

中力粉の特徴や産地

 中間質小麦を使って製粉されている中力粉は、たんぱく質の含有量が約7.5~10.5%前後あり、強力粉と薄力粉のちょうど間くらいの特徴を持つ小麦粉です。水でこねた生地も強力粉ほど弾力が強すぎず、薄力粉ほど柔らかくない適度な弾力を持ち、この特徴がうどんを作るのに適しています。そのため、中力粉はうどん粉としても販売されており、うどんを食べる機会の多い日本人には実は馴染み深い小麦粉でもあるのです。他にも中力粉は、硬めの食感のかりんとうやドーナツ、クッキー、ケーキなどにも使え、強力粉に比べると使える料理やお菓子の幅は広がります。

中力粉の産地

全体的に小麦粉は海外産の小麦を使うことが多いですが、中力粉は50%がオーストラリア産、残りの50%は国産のものを使っていることが多いです。日本では古くからうどんやそうめんなどの日本の麺を食べる文化が根強くあり、それに適した小麦を栽培してきたため、他の小麦粉に比べると国産のものが多くなります。

日本で生産される小麦品種のうち「きたほなみ」という品種の生産が最も多く、きたほなみは日本麺用、すなわちうどん用に生産されているうどんです。主に北海道で生産されていますが、北陸ではゆめきらり、東方ではあおばの恋など、地域によって生産される中力粉用の品種が異なります。地域に適した品種ということもありますが、この品種の違いが地域ごとのうどん文化の違いを生む1つの要因となっているでしょう。

中力粉の用途

やはり中力粉はうどんにむいた品種です。他にもかりんとう、ドーナッツ、クッキーにも使用ができます。しかし、中力粉は薄力粉や強力粉に比べるとスーパーなどで販売しているお店の数は少なく使おうと思ったタイミングで手に入れることが出来ない可能性があります。そんな時は、薄力粉と強力粉を1:1の割合を目安にブレンドすると中力粉の代用として使うことが出来ます。さらにグルテンの含有率が9%前後になるようにブレンドすれば非常に中力粉に近い仕上がりにすることが出来ます。

また、作るレシピによってはブレンドせずに薄力粉や強力粉で代用することで、中力粉で作る料理とはまた違った食感を楽しむことが出来るため、中力粉と他の小麦粉との食感や風味の違いを味わってみるのもおもしろいかもしれません。