米粉とは?小麦粉との違い

 お米文化である日本には昔から団子やういろうなど和菓子の材料としてもお米を原料にしてきました。お米から出来た粉を総称して「米粉」と呼んでおり、今でも馴染み深く使われています。さらに、製粉技術の発展やグルテンフリー食材としても注目されていることにより近年ではカフェなどの飲食店や家庭でも使われることが多くなっています。そんな米粉についての特徴や小麦粉との違いについて紹介していきます。

米粉とは

 米粉とはお米を細かく砕いて粉状にしたものの総称になります。どの種類のお米から作られているかによって米粉の種類が変わり名前も違ってきます。基本的にはもち米・うるち米から作られており、よく聞く種類としてはうるち米から作られている上新粉、もち米から作られている白玉粉・もち粉などがあります。また、近年は製粉技術の発達により粒子の細かい米粉を作ることが可能になり、パン用に作られた米粉や様々な用途に使える米粉を使ってカフェや家庭ではパンやパンケーキ、麺など小麦にアレルギーがある人やグルテンフリーを好む人を中心に人気が高くなっています。

弾力がありもちもちした独特の食感が特徴の米粉は、その人気とともに米粉の生産量も年々増加しており、2017年頃までは年間約2万トンだった生産量が2022年には2倍以上の約4.5万トンへと増え、過去最高となっています。これは2018年に「ノングルテン米粉第三者認証制度」や「米粉の用途別基準」といったグルテンを含まない米粉の特性を発信する働きが始まったことや、ウクライナ情勢・アメリカでの小麦の不作・円安などの理由により小麦の高騰などが影響したことで米粉の注目が集まったことが理由にもなっています。

国内での米粉の生産はお米の生産量も1番多く盛んである新潟が1番となっており全体の約30%、次いで栃木が全体の約15%、埼玉が約10%と続きます。しかし、米粉の需要が増加しているとしても小麦やお米に比べると生産量は少なく、設備などが整っている場所も少ないです。小麦が高騰していると言っても1㎏の業務用販売価格が110円に対して、米粉は120~390円と高く幅もあるため、コストなどの課題は多くあるようです。

米粉の作り方

1つ前にお伝えしたようにコストが少し高めの米粉ですが、実は自宅でも作ることが出来るのです。

材料:お米1合(米粉145~150gくらいになります)

  • 1.お米をよく洗い、たっぷりの水に3~4時間浸しておきます。
  • 2.しっかり水気を切ったら紙やザルの上に広げて乗せ、半日~1晩乾燥させます。
  • 3.乾燥不足の場合は焦げないよう気をつけながら電子レンジで30~1分程度加熱します。
    お米を押して潰れるようであれば大丈夫です。粗熱を取っておきます。
  • 4.フードプロセッサーやすり鉢などで粉末状にし、ふるいにかけます。ふるいに残ったお米は再度粉末状に細かくして完成です。

水に浸けたり乾燥させるのに少し時間はかかりますが、簡単な作業で作れてしまうため興味のある方はぜひ作ってみてはいかかがでしょうか?

米粉と小麦粉の違いとは?

 お米を細かく砕いて作られる米粉と小麦を挽いて作られる小麦粉には原材料が違うこと以外にはどのような違いやメリットがあるのでしょうか?

グルテン
1番の違いとしてはグルテンが含まれているかいないかになります。グルテンとは小麦粉に水を加えてこねることで生まれるたんぱく質のことになります。このグルテンが小麦の持つ弾力や粘りを作り出す重要な役割をしているのですが、グルテンが関係している食物アレルギーを持つ人にとっては大敵となってしまいます。

しかし、お米から出来ている米粉にはグルテンが含まれていないため、アレルギーを持っている人を中心に子供から大人まで年齢関係なく安心して食べられる食材となっています。

油と水の吸収率
米粉は油の吸収率が低く、水分の吸収率が高いのが特徴です。油の吸収率は小麦粉が約40%に対して米粉は約20%と半分も違うことが分かっています。そのため、てんぷらや唐揚げなど揚げ物をするときの衣に米粉を使うと油を吸収しにくくべたつかず、サクッと軽い仕上がりになります。反対に水分の吸収率は高いため、ケーキやパンを作る際に米粉を使うとしっとり、もちっとした仕上がりになります。

アミノ酸
米粉は小麦粉に比べるとアミノ酸の含有量が多いです。私たち人間の体は筋肉や血液、髪など重要な組織はアミノ酸の力を使って構築されるたんぱく質によって作られているため、アミノ酸はとても大切な成分になります。このアミノ酸が小麦粉に比べると1.5倍ほど米粉には多く含まれています。

栄養分
栄養分としてはお米から作られている米粉はたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンE、ビタミンB1などが豊富に含まれています。しかしその他のビタミン群やマグネシウムなどのミネラルは小麦粉の方が全体的に多く含まれています。カロリーはそこまで変わりませんが100g辺り米粉が375kcalに対して小麦粉は349kcalと米粉の方が少し高くなっています。

米粉の使い方

 小麦粉の代わりに米粉を使う場合、基本的には小麦粉と同じような使い方をすれば大丈夫です。しかし、グルテンが含まれていない米粉はクッキーのような生地をこねて作るお菓子は生地がまとまりにくい、パンやケーキは膨らみにくい、パサつく、重たくなってしまう、生地がさらっとしやすいなど小麦粉とは違う性質があるため作る料理やお菓子によっては水分や米粉の量を調整し工夫する必要があります。
また、粉自体が真っ白い米粉は仕上がりも白くなります。そのため焼き色を付けたい場合は高めの温度でしっかりと焼くことが必要になります。

特に注意して欲しい点としては、米粉には種類がいくつかあるため、どのタイプの米粉を使うかによっては失敗してしまう恐れがあることです。始めの方にもお伝えしたようにもともとは団子などの和菓子を作るために使われていたため、上新粉、白玉粉、もち粉以外にも和菓子に使うものとして道明寺粉、らくがん粉、みじん粉などがありますが、これ以外に小麦粉の代わりに使うための米粉があります。「パン用」や「製菓用」などがパッケージに記載されているためそちらを使うようにして下さい。しかし、小麦粉と違って米粉はダマになりにくい性質を持っているため、わざわざふるいにかけるなどの作業をしなくてもよいためとても使い勝手がよいです。

米粉を使ったパンやお菓子は小麦粉では感じられないお米の風味を感じることが出来ます。ほのかに甘みを感じるため、使う砂糖や合わせる素材を変えてみることで米粉の良さをさらに楽しむことが出来るでしょう。

グルテンフリーとは

 米粉と小麦の違いでグルテンが米粉には含まれていないということをお伝えしました。小麦の弾力や粘りだけでなく美味しさにも繋がる重要な役割をしてくれるグルテンですが、小麦アレルギーやセリアック病、グルテン不耐性などグルテンに関連する食物アレルギーを引き起こしてしまうことや、消化しにくいことが腸内環境を悪化させてしまう、人によっては頭痛や腹痛、肌荒れ、むくみ、倦怠感が出る場合があり、グルテンが含まれる食生活が増えている現代においては悪影響に繋がりやすい場合があります。

パンやパスタ、ラーメン、お菓子、揚げ物の衣以外にもビールや焼酎、餃子の皮など小麦を使っている食材はとても多く、気づかないうちに体に影響を受けていることもあるため、食事からグルテンを除去した食生活にすることを“グルテンフリー”と呼んでいます。もともとは、アレルギーや病気のある人の食事療法のために欧米諸国を中心に開発されましたが、健康志向やヘルシーな食生活を取り入れた著名人の影響もあって取り入れる人が増えていきました。

食物アレルギーほど大きな被害がない人も実はグルテンの過剰摂取によって花粉症や肌荒れが改善した例がたくさんあることや、カロリーの過剰摂取を防ぐことが出来るため体調の改善やダイエットをしている人にもグルテンフリーを取り入れる人は増えています。栄養が偏りやすいですがグルテンフリーの食材や食品も増えているため、不足しがちな栄養を他の食材やサプリで補いながら上手に取り入れることで体調不良の改善に繋がる可能性があるかもしれません。気になっている人は美味しく楽しく少しずつ取り入れてみてはいかがですか?