どんな味がする?韓国料理にはかかせないコチュジャン

2003年から始まった韓流ブームによって韓国料理を食べる機会が増え、その勢いは衰えることなく20年以上たった今でも韓国料理の人気は高いです。

辛くない料理や甘辛な料理も多く、日本でも年齢問わず多くの人に食べられていますが、唐辛子を使ったキムチやチゲ鍋など辛いイメージが強い韓国料理には欠かすことの出来ない調味料があります。それが「コチュジャン」です。今回はこのコチュジャンが一体どのような調味料なのか調べてみたので紹介していきますね。

コチュジャンとは

コチュジャンは朝鮮半島が発祥の辛味調味料で「唐辛子みそ」とも呼ばれています。唐辛子が使われているコチュジャンには粘りがあり、赤みの強い赤褐色の見ためからは辛いイメージが強いですが、ただ辛いだけではなく辛い中にもコクや甘味も感じられ、全体のバランスが良いのが特徴です。

原材料は“米やもち米・麹・唐辛子の粉・塩”などが一般的です。それらを混ぜ合わせ発酵・熟成して作られているため発酵調味料の1種でもあります。コチュジャンの持つ甘みやコクは、主原料である米やもち米を麹で糖化、さらに発酵・熟成することによって生まれており、この働きがコチュジャンの味をマイルドにしてくれています。似たような辛味の強い中国の調味料に豆板醤がありますが、甘味も感じられるコチュジャンと比べると豆板醤の方が辛味が強く甘味は少ないです。

コチュジャンという言葉には“コチュ=唐辛子、ジャン=味噌・醤油”という意味があり、発酵・熟成させていることから日本の味噌に近い調味料です。しかし時代や地域、家庭によっては大豆・麦などの穀物や小麦粉、味噌、香辛料を原材料に加えていることがあり、製法や材料に違いがあることもあります。

唐辛子を使うことの多い韓国ですが、実は唐辛子は1500年代の終わり頃に日本から韓国に伝来したもであり、コチュジャンは17世紀頃に作られたものとされています。

コチュジャンの特徴と使い方

辛味も甘味も持ち合わせているコチュジャンは使われている韓国料理の種類も多く、チゲや韓国海鮮鍋、トッポギ、ヤンニョムチキン、タッカルビなど幅広いです。また、火を通さなくても食べることが出来るため、ビビンパのトッピングやサムギョプサルのタレ、和え物、生野菜と一緒に添えられているなどそのまま使われていることも多く、加熱する・しない関係なく定番料理に使われていることが多いため韓国料理にはかかせない調味料となっています。

中国で使われている豆板醤は香りやコクを出すために1番最初に鍋に入れ火を通してから使いますが、コチュジャンは糖分が多いため同じように最初に入れてしまうと焦げ付いてしまいます。そのため、加熱する料理の場合は具材に火を通してから入れるようにしてください。

また、韓国と日本のメーカーのコチュジャンには味の違いが強く、どちらを選ぶかによって仕上がり具合も変わってきます。韓国料理が好きな人や食べ慣れている人など本格的な味にしたい場合は、しっかり辛味がありながらも甘味とのバランスが良い韓国メーカーのコチュジャンがおすすめです。

食べ慣れていない人や辛いものが苦手な人は日本のメーカーのコチュジャンを選ぶのがおすすめです。日本のメーカーは原材料に水あめを使っている場合や砂糖を追加していることが多いため、韓国メーカーのものより甘みが強く子供でも食べやすい味になっています。本格的な味から食べやすい味まで自分好みの味わいに出来るのも家庭で作る良さとなっているため、コチュジャンの特徴やメーカーによる違いを知ってより美味しい韓国料理を家庭でも作ってみてはいかがですか。

コチュジャンは代用することは出来るのか?

コチュジャンは米やもち米を熟成させて作られているため全く同じ味にすることは出来ませんが、近い味を再現することは出来ます。

家に辛味の強い豆板醤と甘味の強い甜麺醤がある場合
豆板醤2:甜麺醤3
(辛味を強くしたい場合は豆板醤3:甜麺醤2)

これが1番簡単でコチュジャンに近い味を再現することが出来ます。しかし、豆板醤と甜麺醤を常備していない場合は常備していることが多い日本の調味料でも代用することが出来ます。

  • 味噌
  • 砂糖
  • 醤油
  • 一味唐辛子(または豆板醤)

大さじ1の味噌に対して少量の砂糖・醤油・一味唐辛子または豆板醤を加えることで代用出来ます。

参考:DELISH KITCHIN

他にもレシピによってはごま油やおろしにんにくを加えるものもあります。基本の分量で試しながら好きな味わいの組み合わせを見つけてみて下さい。

コチュジャンと豆板醤の違い

コチュジャンと豆板醤はよくスーパー並んで置かれていることが多い調味料です。よく比較をされる調味料ですが、何が違うのでしょうか?

簡単に説明すると下記のようになります。
コチュジャン:韓国の調味料、加熱せずに食べる(ことが多い)
豆板醤:中国の調味料、加熱して食べる(ことが多い)

似ている(ように見える)調味料ですが、実は全く異なる調味料です。韓国料理屋さんに行って豆板醤が出ることはありませんし、中華料理屋さんでコチュジャンが出されることはあまりないでしょう。

また日本の焼肉屋に行った際に少し辛味を追加する意味で入れる調味料はコチュジャンです。コチュジャンは焦げやすい性質があるため、焼き肉で使用する際には焼けた肉に乗せたりつけたりして食べるようにしましょう。一方で豆板醤は熱を加えることで香りが引き立つため、加熱前から入れておくと良い調味帖です。似ているようですが全く異なる調味料ですから、使い分けには注意していきましょう。

豆板醤のより詳しい解説はこちら