こめ油と他の油(オリーブオイル、ごま油)の違い

近年、健康に良い油の1つとして「こめ油」の注目が集まっています。お米を精米した際に出る米ぬかから作り出されたこめ油ですが、他の油とは何が違うのでしょうか。今回はこめ油と人気・使用率の高いオリーブオイル・ごま油・キャノーラ油(なたね油)の3つを比較してみました。

こめ油と他の油の比較

大さじ1 約14gカロリー脂質ビタミンEビタミンK飽和 脂肪酸一価不飽和
脂肪酸
オメガ9)
多価不飽和脂肪酸
総量リノール酸
(オメガ6)
リノレン酸
(オメガ3)
kcalGmgggg
こめ油123143.640.0052.635.574.664.480.168
オリーブ油125141.040.00581.8610.371.010.9240.084
ごま油125140.060.00072.115.265.775.740.043
キャノーラ油124142.10.01680.998.413.652.661.05

参考:カロリーSlism https://calorie.slism.jp/

カロリー・脂質・価格

カロリーや脂質はどの油もほとんど変わらず、1日の摂取目安量も大さじ1=約14gであるため、どれを使うことでカロリーオフ・糖質オフとなるわけではありません。適量を摂取すればそれぞれの油の持つ栄養素を効率よく摂取することが出来、健康などの効果が期待出来ますが、摂りすぎてしまうとかえって悪影響が出る可能性があります。体によいからと言って摂りすぎず、多くても大さじ2杯までに抑えるようにしましょう。
価格は、オリーブオイル→ごま油→こめ油→キャノーラ油の順に価格が低くなっているものが多いです。しかし、メーカーや容量、製法、抽出法、素材などにより値段の幅が大きくこの順番に通りではないものも多いです。特にオリーブオイルは海外産のものまで入れるとさらに値段の幅は広がります。比較的油の中で値段の差がないものとしてはこめ油やキャノーラ油ですが、こめ油も需要と供給が追い付かず値上がりしているものも多くなっています。

ビタミンE

抗酸化作用の強いビタミンEは体内にある脂質の酸化を防ぎ、血流をよくしてくれる働きがあります。これにより、血圧の低下や動脈硬化の予防へと繋がります。ビタミンEは18~29歳女性の1食あたりの目安が2.2㎎となっていますが、5つの油の中でも特に多く含まれているこめ油は3.6g、次に多いキャノーラ油は2.1gと大さじ1杯で目安の量を摂取することが出来ます。しかし、ごま油にはほとんど含まれおらず、ビタミンEを摂取するにはあまり効果が期待出来ないでしょう。特にこめ油にはトコトリエノールと呼ばれるビタミンEの40~50倍強い抗酸化作用のあるスーパービタミンがと圧倒的に多く含まれています。抗酸化作用は血行をよくし、肌のターンオーバーやシミ・しわなどの老化を防ぐ効果もあるため、より強い抗酸化作用の効果を得たい場合はこめ油がおすすめとなります。

脂肪酸(飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸)

脂肪酸は人が生きていくために必要なエネルギーや細胞・ホルモンなどの生成、ビタミン群の吸収のサポートなど健康を維持するには欠かせない存在になります。

脂肪酸の中にはさらに3つに分かれており、体内で合成されエネルギーとなる飽和脂肪酸とコレステロールの調整をしてくれる一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸があります。特に植物油は不飽和脂肪酸に含まれており、一価不飽和脂肪酸であるオメガ9と多価不飽和脂肪酸であるオメガ6・オメガ3に細かく分かれていきます。酸化しにくい性質があるオメガ9は、悪玉コレステロールを減らし心筋梗塞や動脈硬化などの生活習慣病を予防してくれる働きがあり、リノール酸やリノレン酸が含まれるオメガ6・オメガ3は神経や細胞を作る栄養素となり、不足すると皮膚障害などを引き起こしやすくなるなどの影響があります。油によっても原料の違いにから多く含まれる不飽和脂肪酸が違い効果もそれぞれ大きく違ってきます。

しかし、これらも表のように多く含まれているからといってよい影響があるわけではなく、バランスよく多数の脂肪酸を摂取することが大切です。オメガ9の大部分はオレイン酸と呼ばれる脂肪酸で構成されており、特に多く含まれているオリーブオイルなどを摂取してもそこまで大きな影響はないものになりますが、オメガ6に含まれるリノール酸は摂取しすぎてしまうと善玉コレステロール値まで下げてしまい、免疫細胞が働きにくくなることがあります。オリーブオイル以外は全体的にリノール酸が多く含まれていますが、こめ油やごま油はその他の不飽和脂肪酸のバランスがよいため上手く調整をしてくれます。このように油に含まれる全体のバランスがよいとお互いを助け合い結果的に効率よく栄養を摂取することが出来るのです。

その他にも、こめ油には抗酸化作用の強いガンマオリザノールや中性脂肪を減らしてくれる食物ステロール、オリーブオイルにはポリフェノールや健康維持には必要不可欠なビタミンA、ごま油にはごまの持つセサミンの力による生活習慣病の予防や冷え性の改善など各油にはそれぞれの主原料による栄養素の違いにより、健康や美容に繋がる効果が期待出来ます。

調理別のおすすめの油

せっかくならこれらの栄養素は出来るだけ逃すことなく、美味しく効率的に摂取して体に取り入れたいですよね。基本的に油はドレッシングなど生のまま使うことから火を通して使うことまで幅広く使えるものが多いです。しかし、油にも酸化しやすい・しにくい、香りや味などの特徴があり、その特徴を知ることでより含まれている多くの栄養素を取り入れることや料理の仕上がりも大きく変わってきます。
次は各油の特徴から調理法別におすすめの油を紹介していきます。

ドレッシングや生のまま取り入れる場合

おすすめ:エキストラバージンオリーブオイル

生野菜や温野菜に直接かける・ドレッシングとして使うなど生のまま使うのであれば、オリーブオイルがおすすめです。特にオリーブオイルの中でも最上級とされるエキストラバージンオリーブオイルは、オリーブのフレッシュな香りやほのかな辛み・苦みが感じられ、野菜以外にもフルーツやヨーグルト、パンなどに直接使うことが出来ます。慣れていないと少しクセはありますが、オリーブオイルの持つ抗酸化作用や美肌・便秘改善などの効果を期待したいのであればぜひ生のまま取り入れてみてください。慣れてくると毎日スプーン1杯のオリーブオイルをそのまま飲むという摂取の仕方もありますが、特有の風味が苦手であれば野菜ジュースやスムージー、フルーツジュースに加えて飲むのも簡単に取り入れやすくおすすめです。

注意点としては、オリーブオイルは酸化がしやすいため遮光性のあるビンに入っているものや直射日光が当たらない場所での保管が必要になります。開封後も出来るだけ早めに使いきることでよりオリーブオイルの風味や効果を楽しむことが出来るでしょう。

揚げ物をする場合

おすすめ:こめ油・キャノーラ油

天ぷらやフライなどの揚げ物をする際にも重要な油ですが、べちゃっとなったり時間が経つにつれ油臭くなるのが気になる点です。そんな問題を解消してくれるのがこめ油です。こめ油には強い抗酸化作用を持つ栄養素が多く含まれているため油自体も酸化しにくく、熱に強い性質を持っています。炒め物などにも向いていますが、こめ油で揚げ物をするとカラッと仕上がり時間が経つと出てくる油特有の臭いが出るまでの時間が他の油より長いため、冷めても美味しさをキープすることが出来るのが最大の特徴です。揚げ物をしている最中のにおいによる油酔いもしにくく、使った後も繰り返し再利用することが出来るのも家計には嬉しいところです。また、こめ油は香りも少なくクセもほとんどないため料理だけでなくお菓子やパンを作る際にも使える万能な油となっています。

しかし、価格帯は少し高めとなっているためコスト重視の使い勝手がよい油としてはキャノーラ油が次におすすめの油となります。セイヨウアブラナを品種改良したキャノーラ種から作られるキャノーラ油も加熱に強く酸化しにくい特徴があり、クセが少なくさらっと軽いため揚げ物用の油としておすすめです。また、国内での生産量も1番多いため価格帯も安く手に入れやすいところから大量消費する揚げ物には最適です。こめ油ほどの栄養素はないものの体に害となる成分が少ないことも価格帯に加えて大きなメリットとなります。

炒め物

おすすめ:こめ油・ピュアオリーブオイル・ごま油・キャノーラ油

こめ油・ピュアオリーブオイル・ごま油・キャノーラ油は加熱にも強いため、炒め物など熱を加えて作る料理におすすめです。
クセが少なく素材の味を大きく楽しみたいのであればこめ油やキャノーラ油を使うのがおすすめです。

パスタやアヒージョなど洋食の料理を作る際にはオリーブオイルを使うのがおすすめになります。オリーブオイルに含まれるビタミンAやビタミンEは油に溶けやすく、野菜を使う料理が多いイタリアン料理などを作る際に使うことで野菜の栄養素と一緒にオリーブオイルの栄養素も効率的に摂取することが出来ます。また、洋食の料理だけでなく、醤油など日本の調味料との相性もよいため和食に使うことも出来るのです。生のまま使う際にエキストラバージンオリーブオイルを紹介しましたが、加熱して使いたい場合エキストラバージンオリーブオイルだとせっかくの栄養や風味が損なわれてしまうため、ピュアオリーブオイルという種類を使うのをおすすめします。

ごまの香りがよく香ばしい風味を与えてくれるごま油も炒め物をする際には使いがってがよく、特に中華料理との相性がよいため、中華料理や和食を作る際にはおすすめの油です。サラダ油などに比べるとごま油も酸化しにくいですが、揚げ物のような加熱しすぎてしまう調理に使うと香りと一緒に栄養素も飛んでしまうため炒め物に使うのがよいでしょう。しかし、他の油に比べるとリノール酸が多く摂取しすぎると花粉症などのアレルギー性炎症疾患を引き起こしやすくなるため、使う量には気を付ける必要があります。

まとめ

どの油も料理全般に使うことが出来ますが、油の特徴を理解して使うことで料理の風味も豊かになります。ドレッシング1つとってもイタリアンドレッシングならオリーブオイル、中華風ドレッシングならごま油、マヨネーズや他の食材が入るのであればこめ油など使い分けることで邪魔をせずそれぞれの良さを引き立たせることが出来ます。

トータルとして、使いやすくバランスもよく健康にも効果が期待出来る油としてはこめ油が1番おすすめです。しかし、健康だけでなく美容にも効果を期待したい場合はオリーブオイルなど、どのような効果を期待するのか何を重視して選択するのかによって選ぶ油も変わってきます。コストなど毎日の使いやすさも重要な点となるため、1種類だけでなく数種類を常備することもおすすめです。それぞれの油の特徴を理解してぜひ使い分けてみて下さい。