オリーブオイルの栄養素とその効果

サラダ油やごま油など普段使っている油にはいくつか種類があります。その中でもオリーブオイルは特に栄養素が豊富に含まれており、体にとってよい影響を与えてくれる働きも多いため、オリーブオイルを日常的に取り入れている人も多いです。今回はオリーブオイルにはどのような栄養素が含まれており、どのような効果が期待出来るのかを紹介していきます。

体によい効果

オリーブオイルには不飽和脂肪酸やポリフェノール、ビタミン類などさまざまな栄養素が含まれており、日常的に摂取することで健康だけでなくダイエットや美容などにも繋がる効果がいくつもあります。主に期待出来る効果としては

  • 動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・高血圧・肥満などの生活習慣病の予防
  • 骨粗しょう症の予防
  • ガンの発生を抑える
  • 肌のシミ・しわ・老化の予防
  • 腸内環境の改善・便秘解消
  • 血液や血行の改善
  • 新陳代謝があがる

などが挙げられます。大さじ1(多くても大さじ2まで)程度が1日の摂取量の目安であるため取り入れやすく、より効果的に摂取したい場合は、エキストラバージンオリーブオイルを加熱せずに生のまま取り入れるのがよいとされています。

エキストラバージンオリーブオイルとはオリーブの実をそのまま絞って作り、含まれる酸度によって4段階に分けられたバージンオリーブオイルの中の最上級の種類になります。鮮度が高いエキストラバージンオリーブオイルは酸度が低くオリーブの香りやコク、特有の辛みや苦みを感じられる特徴があり、サラダや生野菜などに直接かけて食べることで風味を楽しみながら多くの栄養素も一緒に取り入れることが出来ます。

オリーブオイルに含まれる栄養素

オレイン酸

オリーブの実から作られているオリーブオイルの主成分はオレイン酸と呼ばれる不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸の中でもオメガ9系脂肪酸に含まれており、全体の約70~80%を占めています。オレイン酸は血中の善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らし正常に保ってくれる働きがあり、この働きにより高血圧や動脈硬化、心臓病などの生活習慣病を予防してくれます。また、オレイン酸は小腸で吸収されず大腸までたどり着き、刺激を与えてくれることで腸内を活性化し腸内環境の改善や便秘解消へと繋げてくれます。

ポリフェノール・オレウロペイン・βカロテン(ビタミンA)・ビタミンE・クロロフィル

オレイン酸に加えこれらの栄養素には抗酸化作用が豊富に含まれ、体内の活性化酸素による酸化を防いでくれる働きがあります。体内で酸化してしまうと過酸化脂質に変化し、近くにある脂質も次々に酸化させ、シミやしわの原因となる・細胞を攻撃しガンに繋がるなどの悪影響が出ます。不飽和脂肪酸は酸化しやすい性質がありますが、オレイン酸はもともと酸化しにくいうえにポリフェノールやビタミンEなどの抗酸化作用によってより酸化させにくくしてくれ、体への悪影響を防いでくれるのです。

また、ポリフェノールやオリーブの葉に含まれるポリフェノールの1種であるオレウロペインは血液をさらさらにし、オレイン酸の働きと共に血栓が出来にくい環境にしてくれます。これにより動脈硬化や心臓病などの予防にも繋げてくれます。

さらに、ポリフェノールに加え体内でビタミンAに変わるβカロテンはメラニン生成を抑制する効果や皮膚を柔らかくする、ハリ・うるおいを与える効果なども持ち合わせているため美肌効果など肌にもよい影響を与えてくれます。

ビタミンK・ステアリン酸

骨に存在するオステオカルシンというカルシウム結合タンパク質を活性化・コラーゲンの生成を促進させるビタミンKの働きやステアリン酸によるカルシウムの吸収率を上げる補助をしてくれる働きにより骨粗しょう症などの予防にもなります。

他にも、体内で生成されない必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸もバランスよく含まれており、これらの脂肪酸組織はIOC規格(インターナショナルオリーブカウンシル)という世界基準により分量が決められています。ここまで厳しい規格がある油はオリーブオイル以外にはなく、規格をクリアしたものだけがバージンオリーブオイルとして認められています。多くの栄養素を摂取するには世界規格をクリアしたバージンオリーブオイルの中でも最上級であるエキストラバージンオリーブオイルがよいというのは納得の理由ですね。手間がかかっている分、価格は高めとなりますが、体のことを考えると価格以上の価値があると言えます。

オリーブオイルの効率的な摂取方法

では、多くの栄養素を含むオリーブオイルはどのように摂取すると効果があるのでしょうか。

1番効率的な方法としては“大さじ1杯のエキストラバージンオリーブオイルを生のまま摂取”することです。いくら体によいと言ってもオリーブオイルも油であり、大さじ1杯約126kcalあります。1日の摂取量の目安としては大さじ1杯、多くても2杯までとされており、加熱するよりも生のまま摂取する方がより多くの栄養を効率的に摂取することが出来ると言われています。

加熱すると栄養素が失われてしまうのではないかという話も聞きますがそんなことはなく、欧州では健康的とされる栄養の基準はクリアしており問題なく摂取出来るとされています。しかし、生で摂取する時に比べると加熱した時の方が全体的に栄養素の量は下がってしまうだけでなく、せっかくのオリーブオイルの香りや味が減ってしまうため出来るのであれば生の方がよいです。

おすすめの摂取の仕方としては、サラダやマリネ、フルーツに直接かける、パンにつけるなど素材に直接かけたりつけたりする食べ方が簡単で取り入れやすいです。もともとオリーブは果実であるため、野菜や果物との相性がよく、野菜・フルーツジュースに入れる・アイスにかけることも美味しく取り入れられる方法になります。慣れてくるとそのままでもさらっと食べられるのがオリーブオイルのよい点でもあり、特にエキストラオリーブオイルはオリーブオイルの持つ特有の辛みや苦みが弱めで香りがよくクセが少なめです。質のよいものだとオリーブオイルの風味のよさが野菜や果物など素材の風味を引き立たせてくれるため、栄養面も含めてより生のまま取り入れやすくなります。

実は、オリーブオイルは醤油やポン酢など日本の調味料との相性もよく、醤油などをかける際に一緒にオリーブオイルを加えるとコクやうま味がプラスされるのです。そのため、どうしても特有の風味などが苦手という場合は、和え物やドレッシングなどに使うことで洋食・和食と料理の幅も広がり使いやすくなります。

風味の好みは日常的にオリーブオイルを摂取するにはとても重要なポイントになります。さらに、開封すると酸化しやすいため、入れられている容器がどのようなものかによっても鮮度や風味に大きく影響します。そのため、購入する際には遮光性のビンであるかや認定マークがあるもの、酸度の低さなども一緒に確認しながら好みのオリーブオイルを選択し、味や香りと共に体によいオリーブオイルを取り入れてみてください。