オリーブオイルの賞味期限と保存方法

オリーブの実から作られたオリーブオイルはフレッシュな香りやクセの少ない豊かな味わいが人気の食用油です。ドレッシングなど生でも加熱調理用としても使え、その使い方の幅も広いですが、どれくらい日持ちするのでしょうか。保存方法によっては劣化の速度も早まってしまうオリーブオイルの賞味期限と保存方法について紹介していきます。

オリーブオイルの賞味期限

オリーブオイルの賞味期限ですが、未開封と開封後では期限が違ってきます。

未開封の場合
1年半~2年

未開封の場合、賞味期限は比較的長く、1年半~2年のものが多いです。国際オリーブオイル協会では瓶詰のオリーブオイルの場合12~18か月と定められていますが、商品やメーカーなどによってはさまざまです。現在は使いやすい・処分しやすいといった目的からペットボトルタイプも販売されていますが、ビンより酸化しやすいため賞味期限はビンタイプより短めとなっています。

開封後の場合
1~3か月

一度開封してしまうと空気に触れ酸化が始まってしまうため、早めに使いきるようにして下さい。

賞味期限切れの場合
正しく保管された未開封の場合は賞味期限が切れていても1か月~6か月くらいは使うことが出来ると言われています。もともと賞味期限は安全係数という数値1未満がかけられて定められており、一般的には0.7~0.9の数値を目安に短めに賞味期限が付けられています。そのため、1.1~1.5倍の長さであれば食べられることが多いです。しかし、未開封であることや保存方法が悪いと食べられないこともあるため使う前に色や香り、味を確認してから使うようにして下さい。1年以上経ってしまったものは劣化が進んでいるため、使わない方が良いです。

正しい保存方法

暗い場所にて常温で保存

オリーブオイルは強い光が当たってしまうと酸化が進み劣化してしまいます。もともと黄緑や黄色のような色をしていますが、葉緑素という成分が含まれているからであり、光が当たることで光合成が始まります。光合成によって容器内で酸素が発生しオリーブオイルの酸化が進んでしまうため、光の当たらないシンク下などの場所での保存がよいでしょう。

オリーブオイルは、黒や白など色付けされた遮光瓶(光を通さないよう加工された瓶)や、ラベルなどで日光が遮られている瓶に入って販売されることが多く、できるかぎりその瓶やボトルを使用しましょう。卓上で使用しやすいように少量を小瓶に移して使用するケースもありますが、1度に使い切るか、遮光して冷暗所に戻して保存しましょう。

冷蔵庫や温度の高い場所、他の容器での保存は避ける

オリーブオイルの保存は15~18℃が適温と言われています。酸化しないように冷蔵庫に入れた方がいいのではないかと思ってしますが、冷蔵庫は適温より低い10℃くらいの温度であるため、味の変化や色が白く濁る、固まるなどの可能性が高くなり劣化のスピードが速くなってしまいます。また、コンロ周りや電子レンジの近くなど温度が高くなる場所も酸化が進んでしまうため、なるべく温度の変化がない場所がおすすめです。

他の容器に移して使う場合も容器が遮光されていないものが多いだけでなく、移し替えた時にオリーブオイル全体が空気に触れてしまうため劣化が早くなってしまいます。開封後は早めに使うことでオリーブオイルの新鮮な風味を楽しむことが出来ますが、移し替える場合はさらに早めに使うようにしてくださいね。

劣化してしまうと…

正しく保存していないとオリーブオイルは劣化してしまいます。光や空気に触れ酸化してしまったオリーブオイルは次のような状態になってしまうことが多いです。

  • オリーブのフレッシュな香りではなく油特有の不快なにおいがする
  • 綺麗な黄緑・黄色ではなく粘性のある濃い色になる

油分が分解されることで風味や色の変化があらわれます。酸化したオリーブオイルからは過酸化脂質が作られ、摂取しすぎると胸やけや下痢、頭などにも不快感を感じるなどの不調が出ることもあるため、無理に使わず食用以外の再利用か処分してしまう方がよいでしょう。

食用以外の使い方

食用として使えなくなったオリーブオイルはメイク落としやマッサージ、保湿力が高いことから髪・爪などの保湿に使うことが出来ます。しかし、肌質やオリーブオイルの種類、劣化具合によっては合わない人もいるため、パッチテストをしてから使うようにして下さい。

他にも、石鹸基材と好きなアロマオイルを加えて石鹸にしたり、凝固剤とアロマオイルやクレヨンを混ぜてキャンドルにすることも出来ます。掃除用としては少量のオリーブオイルをシンクや蛇口に塗り込み食器用洗剤で洗えば簡単にぴかぴかにすることが出来きるため、処分する前に食用ではない活用の仕方をぜひ試してみて下さい。

オリーブオイルの処分の仕方

処分してしまう場合は、ゴミ袋や空いた牛乳パックにちぎった新聞紙やキッチンペーパー、古布などを詰めて染み込ませ、口を閉じてしまえばそのまま燃えるごみとして出すことが出来ます。シンクなどに直接流すと排水溝が詰まる可能性や水質・環境汚染に繋がるため必ず燃えるごみとして処分するようにして下さい。

油は一度開封すると酸化が進んでしまうため、暗い場所で常温で保存することが大切です。賞味期限が近いオリーブオイルはアヒージョやオイル漬けなどで大量消費することも出来るため、安全でおいしく食べられる期間のうちに使い切り豊かなオリーブオイルの風味を楽しみましょう。