サラダ油、菜種油、キャノラー油の違いと特徴

 スーパーやネット通販などでよく販売されているサラダ油や菜種油、キャノラー油・・・見た目も価格も似ていて何が違のか?と思う方もいるのではないでしょうか?今回はそれら油がどういう違いがあるのかを解説したいと思います。

サラダ油、菜種油、キャノラー油の違い

 これら3種は全く違う油というとそうとは言い切れず、まずは簡単にそれぞれの違いを説明します。キャノラー油は菜種油の1種で、菜種油の中に含まれる油です。菜種油はその名の通り、菜種を絞って作られる油で、キャノラー油は菜種の中でもキャノラー種という品種に限って精製された菜種油をキャノラー油と呼びます。

 サラダ油は、植物油の中で低温でも結晶化しないよう精製された油のことを指します。日本のJAS法では、3つの等級(精製度による区分で品質による差ではない)に区分しています。そのため大豆サラダ油、とうもろこしサラダ油、なたねサラダ油というように、本来は特定の原材料を使用し、精製した植物油の等級を指します。

 一般的に販売されているサラダ油は大豆サラダ油と菜種サラダ油を混合したものをサラダ油という名称で販売していることが多く、実際商品の原材料を確認すると、大豆油、菜種油と何種類かの植物油が書かれていることが確認できます。

サラダ油、菜種油、キャノラー油の違いを解説した図

サラダ油と呼ばれるようになった背景

 サラダ油という名称で販売が開始されたのは、1924年(大正13年)に現日清オイリオグループ社が「日清サラダ油」として販売したのが始まりです。当時、海外ではサラダ油に塩や酢を加え、サラダ料理に使用していました。そうしたサラダ料理のように生でも使用できる油、精製度を高めた良質な油であるということからサラダ油という名称になったとされています。

 その後、1969年(昭和44年)にJAS法が制定され、精製度の高い植物油をサラダ油として区分するようになりました。つまり、元々サラダ油は現日清オイリオグループ社の販売がきっかけで広く世に認知され、その後JAS法が定まりサラダ油というワードが正式に制定されたという流れになります。

 そのためサラダ油と言えば、世間一般的なイメージでは日清サラダ油で大豆油と菜種油を混合した油を差し、JAS法によれば精製度の高い植物油ということになります。

菜種油の特徴と歴史

 菜種油はセイヨウアブラナから採取される植物油です。世界的にはパーム油、大豆油に次ぐ第3位の生産量となる植物油です。日本では食用油の6割は菜種油とされています。
 アメリカでは1985年まで菜種油は食用が禁止されていました。その理由は、菜種油にエルカ酸が含まれ、そのエルカ酸は心疾患を引き起こす物質と言われておりアメリカでは食用が禁止されていました。現在は様々な研究がなされ、エルカ酸の耐容一日摂取量(1日に接種して良い量)は体重1kgにつき7mgとされています。体重70kgの人であれば490mgが1日の上限摂取量の目安となり、菜種油の量では1日5.77g程度となります。毎日この量を接種するとなんらかの影響はでる可能性はあるものの、毎日かかさずこの量を接種することは難しく、菜種油を毎日かかさず接種しかつ1Lの菜種油を約5ヶ月で飲み切るという量です。
 このように当時の研究が十分でなかったということから接種が禁止さ、特に欧米の食文化は日本やアジアより摂取量が過多になりがちであるという背景からこのような禁止に至ったとされています。

カナダでキャノラー油が開発される

 カナダでキャノーラ種というアブラナが開発されました。このキャノラー種は菜種油の課題点であったエルカ酸の含有量が少なく、その少なさから1985年にアメリカ国内での菜種油(キャノラー種から精製されたものに限る)が食用として解禁されました。

 また日本でもキャノラー油は、エルカ酸を含まないという特徴から、健康的な油としてブランディング、認知されキャノラー油という名称で国内でも販売が開始されました。そのためキャノラー油は菜種油に含まれる油ではあるが、菜種油と比較される油でもあります。

菜種油と遺伝子組換え作物について

 遺伝子組換え作物と聞くとなんとなく危険、健康被害がありそうな作物というイメージを持たれているかたもいらっしゃるかもしれません。遺伝子組換え作物については別のサイトで解説していますので、そちらも是非読んでみてください

遺伝子組換え作物とは本当に危険なのか?事実と誤解、食品への影響
http://nou-ledge.com/2019/01/04/gene_recombination1/

 さて、日本で流通している菜種油、キャノラー油に遺伝子組換え作物が使用されているかどうか?という件について、結論はイエスです。そもそもカナダで開発されたキャノラー種は遺伝子組換え技術を用いて開発された品種であり、キャノラー油に使用されるキャノラー種すべてが遺伝子組換による作物は言い切れませんが、ほとんどがそうであるとされています。また、現在日本の法律では菜種油について遺伝子組換原料をしているかどうかを明記するルールはないため、知らず知らずのうちに遺伝子組換作物を接種している可能性は十分にあります。  

 最後に食探として、遺伝子組み換え作物が危険だから国産原料のものを食べようとか、エルカ酸が危険だから菜種油はやめようとか、そのようなことを主張する気はありません。むしろ、危険と言われている背景やその量、事実をしっかり理解して、変に恐れず正しい知識を身に着けていきましょう。