酢がもたらす効果とは

体によい効果がたくさんあると言われているお酢は、健康以外にダイエットや美容にも向いていると言われており、健康志向や美容のために取り入れている人も多いです。お酢には一体どのような成分が含まれており、どのような効果があるのでしょうか?今回はお酢の成分や効果について紹介していきます。

お酢の効果

お酢は原料に穀物や果実を使った醸造酒をアルコール発酵と酢酸発酵をさせて作られており、主成分は酢酸です。酢酸の他にもグルコン酸・リンゴ酸・コハク酸などの有機酸やアミノ酸が含まれており、特にクエン酸が豊富に含まれています。

疲労回復
人間は通常、代謝により自然に消費される乳酸が蓄積されることで疲労を感じます。しかし、お酢の持つ酢酸やクエン酸が乳酸の分解を助け疲労回復に繋げるだけでなく、定期的に摂取することで乳酸の蓄積や血中の乳酸の上昇を抑え、疲れにくい体を作ってくれます。
また、体内のエネルギーが不足すると疲れを感じますが、糖分と一緒にお酢を摂取するとエネルギーを蓄えてくれるグリコーゲンを効率的に補給し疲労回復に繋げてくれます。

食欲増進
お酢の酸味は味覚や嗅覚を刺激することで胃液の分泌を促してくれます。これにより消化や吸収を助ける働きがあり、同時に唾液の分泌も促すことで食欲増進効果が期待出来、夏バテ防止などにも繋がります。

血液や血流を改善
お酢に含まれるアミノ酸やクエン酸などの有機酸は血液をさらさらにし血行をよくする効果もあります。睡眠不足やバランスの悪い食事、ストレスなどにより血中コレステロール値や中性脂肪値、血糖値などが高い人は血液がドロドロの人が多く、高脂血症・高血圧・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・狭心症などを発症させる可能背がとても高いです。しかし、お酢の力により血中脂質を下げ、それらの症状を予防する働きがあります。

骨粗しょう症の予防
お酢は他の栄養素を吸収しやすくする働きがあり、特にクエン酸はカルシウムやマグネシウムの吸収を助けてくれます。そのため、お酢を牛乳で割って取り入れることで効率的にカルシウムやミネラルを吸収し骨粗しょう症やイライラの防止にもなります。

減塩効果・高血圧改善
強い酸味があるお酢は塩味を引き立たせる効果があり、塩分を抑えた料理でもしっかり味を感じることが出来ます。減塩することで血圧の上昇を防ぎ、心臓病や腎臓病などの予防にも繋がります。

お酢はダイエットや美容に効果的なのか

アミノ酸やクエン酸の力により健康に繋がるさまざまな効果が期待・改善出来ることが分かりました。このような働きはダイエットや美容にも繋がるのでしょうか?

ダイエットに効果的な成分

お酢を毎日摂取すると内臓脂肪を減らす効果があると言われており、それぞれの成分には次のような働きが期待出来ます。

アミノ酸・クエン酸
クエン酸は脂肪をエネルギーに変え、血行をよくするアミノ酸の働きが加わることで脂肪を燃焼する働きに繋がり、内臓脂肪を減らす効果が期待出来ます。運動をする30分前に水などで薄めたお酢を飲むとより効果的です。

酢酸
酢酸は脂肪の蓄積を抑制してくれるだけでなく食後の血糖値の上昇も抑えてくれます。血糖値が上がると下げるためにインスリンというホルモンが分泌されますが、このインスリンが血中の糖分を脂肪に変え体にため込んでしまう働きがあります。さらに、血糖値の上昇などの変動が激しいと糖分を摂取したくなる回数が増え、その結果、脂肪がつきやすくなってしまいます。この悪循環をお酢に含まれる酢酸は解消し痩せやすい体へと改善してくれるのです。

根拠となる論文や研究
山下(2014年)の研究によれば、25~60歳の健常な男女175名にリンゴ酢を朝食後・夕食後に飲んでもらいどのような変化があるか試験を行ったところ「試験飲料群における体重,BMI,内臓脂肪面積,腹囲および血清中性脂肪レベルがプラセボ群に比較して有意に低下した」という結果が報告されています。また、ミツカンでもBMI25以上30以下の日本人に行った試験において食酢を毎日摂取した人の方が、腹部内臓脂肪面積・MBI・血中中性脂肪・体重・腹囲などすべてにおいて減少したという試験結果の解説をしています。
このような試験結果から見ても、お酢がダイエットに効果的であるということが分かりますね。

参考:J-STAGE.「日本栄養・食糧学会誌 酢酸の生理機能性」

   

ミツカン「肥満気味の方の内臓脂肪減少」

美容に効果的な成分

お酢は肌荒れの原因でもある過酸化脂質が増えるのを抑制し、ビタミンCを破壊する酵素の働きも抑えてくれます。これにより肌を健康に保ち、シミやそばかすの予防へと繋げてくれます。他にもお酢に含まれる有機酸には美容に果的な働きがいくつかあります。

アミノ酸
お酢に含まれるアミノ酸は保湿効果があり、肌の水分を保ちハリを与え、新陳代謝を促進することで肌のターンオーバーを促してくれます。

酢酸
腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えてくれることで、便秘を改善・解消してくれます。これによっても新陳代謝が上がり肌荒れしにくくなる肌作りへと手助けをしてくれるのです。

これ以外にも胃酸の分泌を促すことで胃腸を刺激し活発に動かしてくれるだけでなく、貧血防止や髪・爪などを健康に保つために必要な鉄分の吸収を助ける働きや、利尿作用・体内を弱アルカリ性に保つ・摂取しすぎた塩分を排出するなどの働きからむくみ解消にも効果が期待出来ます。

お酢の選び方と取り入れ方

ダイエットや美容にも十分な効果が期待出来るお酢ですが、どのように取り入れたらよいのでしょう?簡単な方法としては、水などで薄めて飲むか料理に使うのが手軽で取り入れやすいでしょう。

飲む場合
原液のまま飲んでしまうと刺激が強く胃などに負担が大きいため、水・炭酸・牛乳などで5~10倍薄めて飲むのがおすすめです。1日15ml(大さじ1)を150mlの水などで薄め、食事中または食後に飲むのがよく、運動した後もおすすめです。しかし、食事前や空腹時に飲むと食欲が増進しいつもより多く食べてしまうことがあるため、取り入れるタイミングに注目してみて下さい。種類としては穀物酢・米酢などもよいですが、甘みや香りのよい黒酢や果実酢が取り入れやすいです。中には砂糖をたくさん使っている商品もあり、取り入れ方によっては太りやすくなるため、原材料などを確認し、醸造酢を選ぶようにしましょう。

料理に使う場合

  • 穀物酢:小麦や米、コーンなどをブレンドした穀物酢はすっきり・さっぱりした味わいが特徴でどの料理にも合わせやすいです。特に加熱した料理におすすめです。
  • 米酢:米から作られている米酢はコクがありまろやかであるため、酢めしなどにもよく使われますが、和だけでなく洋・中どの料理にも万能なお酢です。
  • 黒酢:とろみがある黒酢は玄米から作られており、お酢のツンとした香りが少なく使いやすいです。肉料理や中華との相性がよいです。
  • ワインビネガー・バルサミコ酢:ぶどうから作られているため、酸味や甘味、コクがあり、肉や魚料理、ドレッシング、また隠し味として使うと深みが出ます。
  • 果実酢・フルーツ酢:果物から作られているため、甘みがあり香りもいいことからサラダやスイーツ、ドリンクとして使うのに向いています。

他にも、クエン酸・アミノ酸が豊富なもろみ酢や食物繊維・オリゴ糖も含まれている香酢などがあり種類も豊富です。どのような効果を期待するかだけでなく、使いやすいお酢を選択することで日常的にお酢を取り入れやすくなります。ぜひ、毎日お酢を摂取して健康にも美容にもよい体づくりを意識してみて下さい。