湖塩が採取される湖と特徴

 天然塩と呼ばれる塩の1つであり、塩湖と呼ばれる湖で作られた塩のことを湖塩と呼びます。

そもそも塩湖とは、地殻変動により海水が陸に閉じ込められて作られた湖で、乾燥した地域に多く、長い年月をかけて海水が蒸発することにより塩分濃度の濃い湖になります。場所によっては海より塩分濃度の高い湖が存在します。
この塩湖自体、限られた地域でしか作られない湖であり、その湖で作られた塩も希少な湖塩になります。日本ではあまり馴染みのない湖塩ですが、場所や環境により塩にも味などの特徴が変わります。各地の塩湖と一緒に細かく見ていきましょう。

ウユニ塩湖

 南アメリカ大陸のボリビアにある広大な塩湖です。1度は名前を聞いたこともあるのではないでしょうか。雨季には水が溜り、塩湖の高低差が50センチしかない環境により空が湖面に映し出され、「天空の鏡」と呼ばれる絶景として有名です。
ボリビアは乾燥した地域のため、降水量より蒸発量の方が多く、乾季には水がなくなります。干上がると真っ白で格子状が特徴の塩の結晶が湖一面に現れます。

このウユニ塩湖で取れる湖塩は結晶が珍しいピラミッドの形をしており、甘みとうま味を持っているのが特徴です。ピラミッドソルトとも呼ばれ地元の人によりシンプルで伝統的な製法で作られてきました。広大な湖のため、他の塩湖で作られる湖塩に比べると生産量は多く比較的安価に購入出来るのも特徴になります。

死海

 イスラエルとヨルダンの国境沿いにある細長い塩湖です。塩分濃度が約30%と海水より約10倍濃いため、湖に入ると体が浮いてしまうほどです。塩分濃度が高すぎるため、生物が生息するには不向きですがマグネシウム・カリウムなどのミネラルも普通の海水に比べるとさらに多く含まれています。

塩分濃度が高いからといって塩辛いわけではなく、ミネラルが多く含まれていることから、程よい塩気と甘みを持ちます。特にマグネシウムが主成分と言えるほど多く含まれるのも特徴の1つです。

バスソルトなどに使われることの方が多いですが、後味がさっぱりする死海の塩は幅広い料理に使うことが出来、火を通す料理に使うとより深みや甘みが増すため煮込み料理などに最適です。

デボラ塩湖

 オーストラリアの西部地方にあるデボラ塩湖は約500万年前に出来た湖になります。湖が出来始めたのは数億年前とも言われており、このデボラ塩湖で出来た塩は別名で「古代の塩」とも呼ばれています。

長い年月をかけて作られるデボラ塩湖の塩はマイルドながらも、岩塩より強い塩気を持つのが特徴です。マグネシウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれており、にがりなどの添加物が含まれていないのも特徴になります。人の手が加わっていない自然の力だけで塩が作り出され、年に1度、収穫の時のみ人の手が加わって収穫されています。

一般に販売されるよりも、業務用として流通されることが多く、料理人の間で広く親しまれて使われていることが多い湖塩になります。

アッサル湖

 アフリカ・ジブチから車で約2時間ほど離れた場所にあるアッサル湖ですが、実は塩分濃度が34.8%と死海より高く、世界で1番塩分濃度が高い湖になります。そのため、裸足で湖の中に入ると刺激が強く痛いと感じるほどです。湖には大きな塩の結晶やゴツゴツした塊が多く、その中で波によって湖の底を転がって出来た塩は「パール塩」と呼ばれ、転がることにより角が取れ球体をしているのが特徴です。

人の手を加えずに球体に出来たアッサル湖の塩は、白くとても綺麗な見た目をしています。パール塩と呼ばれるだけあってまるで真珠のようです。カリっとした食感があり、うま味が強くコクのある味わいになっているため、肉料理や魚料理との相性が良いだけではなく、野菜やパスタ、アイスクリームなど幅広い料理や用途に使うことに向いています。

また、天然のにがりが多く含まれていることから複雑ながらも濃厚な味わいが感じられ、素材を茹でるときに一緒に入れるだけでうま味をぐっと引き立ててくれます。

しかし、アッサル湖がある場所や移動手段、収穫を手作業で行っていることから流通される量は少なくとても希少な塩になります。日本にも稀に輸入されることがあるため、目にした際には試してみるだけでも価値があるかもしれません。

 湖塩には他にも、世界中にある塩湖で取れる特徴的で自然豊かな塩をはじめ、塩湖の水を使って塩にしたもの、出来上がった湖塩を一度溶かして再度結晶化させたものも存在します。あまり日本には流通していないですが、他の塩との違いをぜひ味わって感じてみて下さい。

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