普段の生活において、塩を使うタイミングは多くあります。主に料理に使う人が多いと思いますが、バスソルトとしてやインテリア、掃除などさまざまな用途として使われています。塩と言うと、白くてしょっぱい調味料という認識があると思います。ですが、この塩にはいくつも種類や特徴があります。ここではその中の「再生加工塩」について紹介していきたいと思います。
再生加工塩の特徴
再生加工塩とは“海外から輸入した塩ににがりなどを加えて加工した塩”になります。この輸入した塩はどんな塩でもいいわけではなく、太陽や風の力を利用して海水を乾燥・蒸発させ結晶化して作った「天日塩」と呼ばれる塩を原料にして作られています。この天日塩は広大な土地や乾いた環境が生産するのに向いていることから、メキシコやオーストラリアなど海外で多く生産している塩です。そのため基本的には輸入になります。
この天日塩を一度溶かして、にがりやミネラルと水、または海水を人の手によって加えて再結晶させた塩が「再生加工塩」と呼ばれています。
塩を作る際に製造方法によってはどうしても海水にもともと含まれているミネラルなどが減ってしまいます。ですが、にがりやミネラルを人工的に加えて調整させることにより、塩辛さが柔らかくなりうま味や甘みが増し、同時ににがりの持つ苦みを感じることが出来ます。
日本は、環境や土地の広さからもミネラルをたくさん含んだ天然の塩を作ることに不向きなため、人の手を加えて作られている塩が多いのです。そのため、あまり聞き馴染みのない再生加工塩は案外ご家庭で使われている可能性が高い塩になります。
気になる人は塩のパッケージ裏の原材料などが記載されている項目を見てみると
原材料:輸入天日塩、海水・にがり(粗製海水塩化マグネシウム)など
工程:溶解、立釜
と記載があれば再生加工塩になります。実は塩で有名な「伯方の塩」も再生加工塩の1つなのです。
再生加工塩の作り方
ここで気になるのは工程に記載されている溶解、立釜です。1つ前に記載したように、輸入した天日塩を一度溶かして作るということから、溶解しているというのは分かるかと思います。では、立釜とはどのような製造方法なのでしょうか。
1、輸入した天日塩を水や海水に溶かし砂などの不純物を取り除く
2、不純物を取り除いた濃い塩水ににがりなどを加え、立釜と呼ばれる密閉された釜で煮詰める
3、立釜の水蒸気の熱で蒸発し塩の結晶が出来上がる
4、出来上がった塩の結晶を乾燥させ、固結防止剤などの添加物を加えることで再生加工塩が出来る
このようにして再生加工塩は作られています。調整されるにがりやミネラルの量・バランスはメーカーやブランドによって変わってくるのも特徴になります。ですが、日本人の口に合いやすいように加工されているため、和食をはじめ、さまざまな料理に使うことに向いています。代表的な再生加工塩のメーカーはCMソングでもおなじみの博多の塩が有名です。
1つ注意としては、岩塩にも溶解法と呼ばれる一度溶かして塩水として取り出し、結晶化させる製法で取り出された岩塩があり、それを再生加工塩と呼ぶことがあります。すべての再生加工塩が天日塩で作られているわけではないことだけお伝えしておきますね。
精製された塩(精製塩)とミネラルが豊富な天然の塩(海塩・岩塩など)のちょうど間に位置する再生加工塩ですが、実は料理以外にも使うことに長けているのです。
- 調理器具などの殺菌や消臭
- キッチンや床の掃除
- 靴の消臭効果
- バスソルト など
あまり聞き馴染みのない再生加工塩は料理だけではなく掃除など幅広く使え、比較的安価で購入出来る実は身近な塩の1つでした。用途や風味、価格など使いやすい塩や好きな塩を見つけて使ってみて下さいね。
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