再仕込み醤油の特徴と産地

熟成期間が長く、色・味・香りともに濃厚な醤油です。生産量は全体の1%と白醤油に次いで2番目に少ないです醤油です。今回は再仕込み醤油について解説をしていきます。

再仕込み醤油とは

 再仕込み醤油の原材料は他の醤油と変わらず大豆と小麦を1:1の割合で使用することは変わりません。他の醤油は大豆と小麦を麹として塩水を加えて熟成をするのですが、ここで塩水ではなく濃口醤油を加えて熟成をさせていきます。すでに濃口醤油として完成している醤油を使用することで、2倍に工数がかかり、そのような作りかたをすることから再仕込みと呼ばれています。手間と時間がかかるため他の醤油と比べると高価になる傾向があり、大量生産ができないことから大手と呼ばれる醸造元やメーカーでは生産しておらず、中小規模の醤油蔵で造られることが多いです。
 再仕込み醤油は山口県が発祥とされており、山口県から九州、山陰地方で製造が盛んな醤油です。しかし、中小のこだわりのある醤油蔵が多いことから全国に点在しています。

甘露醤油と再仕込醤油

 再仕込み醤油には「甘露醤油」とも呼ばれることがあります、再仕込み醤油=甘露醤油ですから別の種類の醤油ではありません。名前から甘い醤油なのかな?と思われがちですが、再仕込み醤油の中には甘味料が入っておらず醤油自体は甘くありません。江戸時代時代に“おいしい=甘露“と言われていたことから、甘露醤油と呼ばれています。それだけ、旨味や香りがよく高く評価されてきた醤油の1種であることがわかります。

再仕込み醤油の使い方

 こいくち醤油とたまり醤油の間のような醤油で、味も香りもバランスがいいため卓上醤油として刺身につけたり、濃厚なため、ソースの代わりとして使うのにも向いています。例えば時々アジフライにはしょうゆかソースか?という議論が起きますが、醤油と回答するならば、再仕込醤油を使用するとフライ、魚の旨味をより引き立てることができます。また、再仕込み書油は肉料理にも向いており、酵素の力でお肉が柔らかくなる優れた一面も持っています。

  ・赤身刺身          ・揚げ物

  ・ステーキ           ・肉料理

  ・木綿豆腐

再仕込み醤油を使う地域 

山口県を中心に中国地方
 江戸時代後期に山口県で誕生した醤油のため中国地方で使われることが多いです。生産も中国地方や九州で作られていました が現在では全国で作られています。

 再仕込み醤油は魚介類との相性が非常に良いと言われています。再仕込み醤油の持つうま味が魚介類の味を引き立ててくれることから刺身のつけ醤油として地元では広く愛されています。
また、魚のあら炊きにも向いており、色は濃くなりますが見た目ほどしょっぱくはならずうま味を増してくれます。

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