塩大さじ1・小さじ1の重さと塩分量

レシピを見るとよく記載されている大さじ1・小さじ1ですが、実際はどのくらいの重さがあるのか知っていますか?実はそれが液体なのか粉状なのかによって重さは変わります。今回は調味料の基本でもある塩の大さじ1・小さじ1の重さについて紹介していきます。

塩の重さ

一般的には大さじ1=15㎖、小さじ1=5㎖となっていますが、塩は次のような重さになります。

大さじ1=18g 小さじ1=6g

小さじ1の重さの3倍が大さじ1の重さとなります。しかし、これはあくまで一般的な食塩を使った場合に限ります。塩は種類によって粒の大きさや質感が違い、サラサラの粉末状の塩からしっとりした塩、丸い球体状のものやトレミーと呼ばれるピラミッドのような形をしているものまでいくつもあります。上記の例は一般的なさらさらしている食塩の場合になりますが、これがしっとりしているタイプだと

大さじ1=15g 小さじ1=5g

と変わります。これは粒の大きさや質感によってスプーンに入る塩の間に隙間が出来るためです。粉状になっているものはスプーンいっぱいに塩が入りますが、粒が大きいものだと目で見ても分かるほど空間が出来るものがあります。この空間が生まれることにより大さじ1・小さじ1の重さも変わります。

また、さらさらの塩よりしっとりした塩の方が重そうなイメージですが、上記の数値を見るとさらさらの塩の方が重いのが分かると思います。これはさらさらの塩をスプーンですくって手で押し込んでも空間は出来ませんが、しっとりしている塩をスプーンですくって手で押し込むと空間が出来ます。これも先ほどと同じ理由で、しっとりしている塩の方が水分が含まれている分、塩と塩の間に空間が出来るため軽くなっているのです。

一般的な塩の形状は立方体(サイコロ状)ですが、それに比べると薄い板状であるフレーク状の塩やピラミッドの形をしたトレミー状の塩は空間が出来やすく、日本ソルトコーディネーター協会によると

フレーク状の塩 大さじ1=8g 小さじ1=2.6g
トレミー状の塩 大さじ1=7g 小さじ1=2.3g

一般的な塩の重さの約半分ほどの重さになります。どのような形状の塩を使うかによっては重さが大きく変わることがあるため、正確な重さを計りたい場合は計りを使う方がよいでしょう。

塩少々と塩ひとつまみの違い

レシピサイトや本を見ていると塩少々と塩ひとつまみという表現を見かけます。似たような表現ですが、塩少々と塩ひとつまみは異なる量なのです。

塩ひとつまみ

塩ひとつまみは指3本(親指、人差し指、中指)で塩をつまんだ量で、およそ1gになります。
指の大きさによっても異なりますが、小さじ1杯は6gですから小さじ1杯という場合は5から6つまみ程度となります。

塩少々

塩少々は指2本(親指、人差し指)でつまんだ量で、およそ0.5gです。

塩少々、塩ひとつまみという表現を使用する際には、最後に味を整える際に使用する表現です。ただ、少々とひとつまみでは2倍の差があるため、間違えるとちょっと塩辛いと感じることや、逆に塩気が足らないと感じることもあるかと思います。そのため、素材の味を活かすような絶妙な味付けをするような料理時には少し気を付けて量を確認すると良いかもしれません。

(おまけ)ペットボトルの蓋で塩を測ることも

ペットボトルの形状にもよりますが、一般的なペットボトルの蓋2杯ぶんで大さじ約1杯分になります。そのため大さじ1/2という場合であればペットボトルの蓋1杯分とほぼ同じ量となりますから、ペットボトルの蓋も料理をする際には意外と便利かもしれません。

1日の塩分摂取目安

一般的な塩が大さじ1=18g 小さじ1=6gということが分かりましたが、塩何グラムと言われてもいまいちピンとこないですよね。

実は1日の塩分摂取量の目安は健康な成人男性が7.5g未満、成人女性が6.5g未満と厚生労働省では基準を設けて呼びかけています。これを聞くと塩小さじ1でほぼ1日の摂取目安量と同じであることが分かります。

もちろん、料理などに使う場合は他の食材や汁物のような水分が足されているものに使うため口にする塩分は減りますが、使う塩の量が増えればその分口に入れる塩分も増えてしまいます。

近年は単純に濃い味付けの料理が増えていることや、ラーメンなど麺料理のスープまで力を入れているお店が増え汁まで飲み干す人が多くなっているのも塩分過多の原因の1つとなります。醤油ラーメン1杯に含まれる塩分量は約5.7g、かけうどんの場合は5g、みそ汁1杯でも約2gの塩分量が含まれています。

減塩を意識する場合は、カップ麺も含め麺料理の汁は飲み干さない、かつお節・昆布の出汁やトマトなどうま味の強い食材を上手く使う、みそ汁やスープなどには野菜など具材を多くするなど少しの工夫で減塩することが出来ます。さらに多くの野菜や果物にはカリウムが含まれており、摂取しすぎた塩分の素となるナトリウムを体外に排出する働きをしてくれます。他にも、酢や香辛料を使う、加工食品の使う量を減らすなど減塩する方法はいくつかあります。

塩分を摂取しすぎてしまうと高血圧の原因となり、ひどい場合脳卒中や心臓病など深刻な病気になる可能性があります。減塩することは体によいだけでなく、素材そのものの美味しさを味わうことが出来るため、上手に減塩して体にも心にもよい食生活を心掛けましょう。